第6話
「でも、こんな真夜中に兄ちゃんは何で一人で散歩してんの?」
「何でって言われても困るけどーーーーーーーー…」
「わかった!?彼女とケンカしたんや!?それか仕事で失敗してもうた!?」
最初は心配そうな口調だったが、最後の方は少し悪戯っぽく笑っていた。
靖春は女の子のオデコを小突きながら言った。
「両方とも違うよ、ただ眠れなかったから気分を変えようと思ってーーーーーーーー…そういう君は?」
「私!?私も兄ちゃんと一緒で気分転換ってトコやな」
女の子の曖昧な言葉に靖春は首をかしげる。
「まあまあ、私の事は別にエエやん!?それより何で眠れへんの?何か悩みでもあるん?」
自分の事を何も話さず、ただマジメに靖春を見つめる女の子に靖春はポツリと言った。
「……明日ーーーーーーーー…って言うか、もう今日なんだけど結婚するんだ………僕」
そう言葉を溢す靖春の浮かない表情に女の子は不思議そうに首をかしげると
「兄ちゃんは結婚すんのイヤなん?」
靖春の顔を見て問う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます