第5話

「…何に緊張してんの?」


思いがけない返事に靖春は驚いて周囲を見渡す。




自分の座っているブランコの横に声の主はいた。




関西弁で年齢は十四、五歳くらいの女の子ーーーーーーーー…




こんな真夜中に突然、現れた女の子に靖春は声が出なかった。




「いやいや、そんなに驚かんといてや……それより兄ちゃんはこんなトコで何してんの?最近は物騒やから気を付けなアカンで」


自分より一回り以上若いと思う女の子の言葉に靖春は不覚にも笑ってしまった。




「夜の散歩だよ、それに僕は大人だし男だーーーーーーーー…そういう君こそ何してるんだい?女の子の君の方が危ないだろ?」


靖春の当たり前のような返事に女の子は少しムスッとした後、口を開いた。




「散歩や!!それから女やからってナメンとって!!?」


頬を膨らませる女の子の仕草に靖春は又笑ってしまった。




「ゴメンねーーーーーーーー…でもさ、こんな真夜中に女の子一人で出歩くのは本当に危ないよ」




「………そうやな、心配してくれてありがとう」


靖春が笑って言うと、女の子も笑った。

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