20 春休み
まあ、なんだかんだあってあの噂は消えた。というか、消すしかなかった。
5年3組のトップが新入りに負けたんだから。
純恋、綺華、琉奈は謝ってきた。
許すも許さないも知らないけど。ニコニコ笑ってその場を閉めた。
で、春休みだ。月島のクッキング教室があるからちょっと楽しみだったりする。
§
そのクッキング教室は今日。
午前はとりあえずのメンバーで月島の家で宿題、
午後は末次は放置してのクッキング教室
お昼ごはんは今日は私が作る事になっている。オムライスにしようかな。
末次は安定の料理音痴。
何でも月島に任せたら申し訳ないから末次と私で作る。実質私だけど。
月島に言ったら、朝からお米を炊いてくれたらしい。優しいね。
§
「「おじゃましまーす」」
「いらっしゃい。」
時刻は10時。
とりあえず勉強しやすい机。第二の丸いリビングテーブルみたいなところに行く。
「2人ともどこまで宿題終わったの?」
「俺はあと、作品制作だけだよ。」
「俺あと作品制作、漢字。」
「おー!私あと、理科と英語~~~」
「英語なら楽勝じゃん。な?凜」
「英語はスペル書くだけだったからね。」
「でも相変わらずの理科なんだな。」
「そこは__まあ教えるよ。」
「月島ありがとー!感謝!」
「とりあえずやろうか。2時間あれば終わるだろうし。」
20分で英語は終わった。簡単なスペル書きだったけど、量が多すぎた。
「終わったぁ」
理科はやりたくないからちょっと休憩で二人の宿題を見る。
二人して作品制作で唸ってるみたい。
作品制作のテーマは「春」または、「生物」
私は梅の木に止まっているオオルリを書いた。近くに山があるから青い鳥が見えて流れで描いた感じになったけど。かなりうまくかけたと思う。
「へぇ____ふたりとも図工ニガテなんだ____」
「黙って理科やれ」
「末次くん怖ぁい_手伝ってあげようと思ったのになぁ」
そんな話をしながら月島の方を見ると、花畑でうさぎに花冠を被せるという可愛らしい絵ができていた。一つ、うさぎが化け物みたいな見た目をしていることを除けば。
「えっと____月島って凄い感性してるね_____」
「そう?今回かなり上手く描けたんだけど。」
「凜は画力壊滅的だもんな。」
「いや、末次は自分が下手なのを桜デカデカと描いて誤魔化してるだけじゃん」
「月島、______助けいる?」
「いる」
かなりの即答だった。
自分のHの鉛筆を筆箱から取り出し、輪郭を整え、頬はぷっくりとさせる。耳が怖いくらいにピンとしているから少し柔らかく立たせる。元がいい感じだから後は口を人間の形にしてるのを消したら、。
「できたよ」
「お_____。」
「色塗りまでやろっか!せっかくだし」
「うげ。」
「うげじゃないよ。色塗りは手伝わないから頑張ってね。教えるのはするけど」
「_____そうそう、月島の絵柄柔らかいから、色も柔らかくしたほうがいいよ」
「____こうか____。」
「___ここはちょっと薄く茶色入れて____」
「できた。」
「うん、上出来!」
ここまでで約1時間ちょい。
「これ凛が書いたの?怖あ____。」
「浅野さまにかかればこんなものよっ!」
またまた20分後______________________________
「腹減った~~~~~!」
「確かにお腹すいたね」
もう11時50分
「よし!末次!オムライス作るよ!」
「は?俺も?!」
「月島はオムライスどんなやつがいい?」
「俺ぱっかーんって割るやつ!!!!」
「末次には聞いてないけど分かった。」
「じゃあ俺もそれ。」
「はぁい」
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