17 秘密の暗号 (短編)



読まなくても話にはついていけますよ





_______







「あ、そういえばね、」

「うん。」

「私、フランス語話せるんだよね」

「唐突だね。」

「月島は話せる?」

「人並みには話せると思う。」


「Combien est normal ?」

(普通(人並み)ってどれくらい?)


「C'est vraiment difficile pour les locuteurs natifs.」

(流石にネイティブはきついけどね)


めっちゃスラスラ。何でも出来るね月島は。


「おぉー!凄い!」

「お褒めに預かり光栄です。」


「なんか合言葉みたいなの作りたいよね。秘密っておしゃれだし?」

「そうだね。_____互いのブレーキ壊れたときとかに使う?」

「いいかも!じゃあ月島はmoisだね」

「そのままじゃん。じゃあ浅野さんはなんだろう?浅野心愛、ねぇ。amourとか?」

「月島もそのままじゃん!でも、月島のブレーキ壊れることあるの?」


うーん。と少し考えている。

関係ないけど、なんで小5の時点で頭一つ分身長違うのかな。おかしいよね。


「ないかも?これじゃ、実質俺が浅野さんを止めるための合言葉だね。」


そう言っていたずらっぽく笑って頭に手をおいてきた。


こうして私と月島の秘密の暗号プロジェクトは始まった。

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