5 それから

 着替えを終わらせ次の授業の準備をする中、月島と末次が来た。

来ないでほしい。むかつくから。

「おーい浅野さっん」

小馬鹿にしたように近づいてくる。ニガテな顔芸で心底嫌な顔をしてみるけれど。通用しない。

「浅野...さん...」

何だよこの野郎。人の顔見てくつくつ笑うな。末次がずっと笑っていて話にならないのか、月島が話してきた。

「浅野さんってもしかして運動苦手?」

「うん。特に球技。見るのは楽しいんだけどするのはちょっと...」

「今度レクするんだけどやりたい役職、的なのある?」

レク、?ってなんだ?

「レクって何、?」

「レクは皆で昼休みにどんな遊びでもいいんだけど、皆で楽しもうってやつ。」

と、落ち着いたのか末次が説明してくれた。出来るなら運動以外がいいな。でもそれは皆楽しめなさそう。というか役職って何?

「ふーん。やりたい役職はないけど、あんまり大々的にやりたくはないかも」

「そう。わかった。ありがとう」

そう言って月島は自分の席に戻って行った。

「珍しいよな」

「え、何が?」

「あいつ、月島。女子と関わりたがらないんだよ。一回夏に告白されたんだけど、それを振ったら根に持った女子が集団で。ってとこまで言っとくよ。それからあいつ。あんまり女子とかかわんないんだよ。」

「そんな過去が、まあ確かにきれいな顔立ちしてるしね。私に言った意味あるのそれ。あんまり言いたくないいんじゃないの?」

「まあ、今はわからなくていいよ」

と言い残して自分の席に戻っていった。

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