01-22.外の世界への出口

 混乱の中を進んでいくと、やがて開けた空間にたどり着いた。そこには巨大な鉄製の扉があり、その一部が吹き飛ばされて、外の風が流れ込んでいる。


「……外?」


 彼女はその先へ足を進めた。扉の外には、広大な荒野が広がっていた。月明かりに照らされたその景色は、研究所の中とはまったく異なる世界だった。


 荒野の冷たい風が彼女の肌をで、背中の翼がかすかにふるえた。それはまるで、外の世界を感じているようだった。


 研究所から離れるごとに、背後の爆発音や叫び声は次第に小さくなり、ついには夜の静寂に飲み込まれていった。

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