01-15.無慈悲な結論

実験が終わると、研究員たちは彼女の周囲に集まり、モニターの数値を確認しながら話し始めた。


「この数値ではダメだな。耐久性に問題がある」


「制御も甘い。攻撃にも防御にも使えない」


治癒ちゆ能力も不安定だ。回復の対象を選べないし、効率も低い」


彼女は彼らの言葉を聞きながら、胸の奥が締めつけられるような感覚に襲われた。自分が何かに「使える」かどうかでしか評価されないという現実が、冷酷な形で突きつけられていた。


「結論は出たな」


一人の研究員が冷たい声で言った。


「この実験体は失敗作だ。廃棄はいき処分が妥当だとうだろう」


その言葉が告げられた瞬間、彼女は初めて自分の存在が否定されたことを理解した。「廃棄はいき」という言葉の意味が頭に染み込んでいく。


「私は……いらないの?」


か細い声が部屋に響いた。しかし、研究員たちはその言葉に何の反応も示さなかった。彼女が言葉を発したことすら、彼らにとっては価値のない出来事だった。

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