第六章:光の兆し
晴翔は由香を救い、上級生たちを倒し満足感を得た。
力を行使するたび、怒りと高揚感が晴翔を支配した。
次第に、由香との距離も離れていった。
ある夜、部屋で寝ていた晴翔は、不思議な夢を見た。
「晴翔、目を覚ませ…」
その声は懐かしく温かかったが、すぐに別の低く冷たい声がそれをかき消した。
「耳を貸すな、惑わされるな。」
ハッと目を覚ました晴翔は、汗びっしょりだった。胸がざわついているのを感じた。
「悪い夢でも見たか?」
ベッドの隅に座っていたクラムスが言う。しかし、晴翔はこの瞬間、クラムスに違和感を覚え始めた。
夢の中の冷たく低い声がクラムスにそっくりだったのだ。
「君は本当に俺の守護神か?」
クラムスは笑みを浮かべ言った。
「お前をここまで導いてきた。それだけじゃ信じるに足りないか?」
その言葉に納得せざるを得なかったが、胸の中の不安は消えなかった。
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