第四章:俺は特別

 順調な日々は次第に晴翔の心を変えていった。成功を得るたび「俺は特別だ」という思いが芽生え始めた。


「最初からこうなる運命だったのかな。」

 ある夜、晴翔はクラムスにそう言った。微笑みながら答える。

「その通りだ。まだまだ凄くなる。」


 その自信は次第に驕りへと変わっていく。彼は周囲の言葉を聞き流し、必要ないと思った人たちは遠ざけた。

 由香ですら、時折見せる晴翔の態度に戸惑っていた。

「晴翔くん、最近ちょっと変わったよね…」

 晴翔は「そうかな?」と気にする素振りを見せなかった。

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