第7話 彼女は――

 召喚術者ぼく使い魔ミアさんとの契約破棄をすれば眼前の美少女ミアさんは消滅するっ!?


 自分の願望もくてきの為とはいえこれは、僕たちの立場が逆だったら本当にどれだけよかったか……後悔してもしきれないっ!!


 僕に縋りつき嗚咽を漏らすミアさんは、僕からの反応が返ってこないと解ると一、二歩さがって――


「ちょ、ちょっとミアさんっ!?」


 あろうことかワイシャツのボタンに手をかけゆっくり外していく。


 今すぐに止めさせるべきなのに体が動かず目が離せない……。


 一つ一つボタンが外れていくにつれ徐々に露わになる柔肌を前に生唾を飲む。


 やがて――


「マイト、様ぁ……」

「――――っ!?」


 ワイシャツが滑り落ち再び晒された神々しい裸体を目の当たりに意識ごと吸い寄せられる。


 全身染みなくハリがあって瑞々しい肌。小柄で華奢でありながらも大きめで整った椀型の美乳、その先に控えめに鎮座する薄桃色の突起。バランスよくくびれた腰回りに愛らしいおへその窪み。正面を向いていて今は見えないプリンとしたお尻。

 女の子にとって大切な場所を覆い隠すワインレッドの淡い叢に至るまで――


 総てを曝け出して見つめてくるで我に返った僕は迷わず彼女を抱きしめた。


使い魔召喚をしてい罪を犯した僕が言うのはおかしいと思うけど、僕が召喚したのは決して! 君は言ったじゃないか、召喚されるのは使だって。だとしたら、此処にいる君は僕にとってだよっ!!」

「マイト様、私は……」

「初めて会ったばかりなんだからお互い知らない事だらけだけど、焦らずゆっくり知っていけばいいと思う。勿論、君が僕を見限って逃げたとしても僕自身は仕方ないと思うし、何よりこの場合はだろ?」

「はぅぅ……そんな言い方はずるくて意地悪です…………」


 小声で呟かれたそのセリフは聞こえなかったけれど、抗議するように胸板を頭でぐりぐりしてくるミアさんが拗ねているんだと解って心が和んだ。


「正直、知らない男の人に召喚されたと知った時は人生が終わったと本気で思ってました」


 ミアさんの独白には同意しかない。


 しかし、顔をあげた彼女は熱を帯びた瞳で――


「ですが、初めて会った召喚術者の――マイト様あなたの事をほんの少し知っただけですが……胸が切なくて、愛おしくて――大好きです……」



 …………………………はい?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る