第5話 拝謁を待つ日々

わたしはブランと話した場所でデイジーとともに拝謁を待っている

デイジーがいうには草原と夜空しかないのだがブランさまの家だそうだ

雨が降ったり、昼間になることもない場所だがわたしはだんだん慣れてきていた


だが時間の感覚はないがおなかは空くし、眠くもなる

死んでるのに。。。とデイジーへ聞いたが欲求が魂へ刻まれている為、当然ですと真顔で返された

よくわからない

体内時計ではなく魂時計?

そういうものなのだろうか。。。?


必要なものがあればデイジーが無から生み出す

初めて見たときは驚愕したがここがブランさまの家だからですと言われれば納得するしかない

椅子へ座り紅茶を飲みながら周りを見渡すもデイジーが生み出したシャワー、ベット2つ、テーブル、2脚の椅子、2本の木刀、テーブルの上のティーセットのみ

宙に浮いているノズルだけのシャワーは水もお湯も出る

やっぱりブランさんの家は不思議な空間だ





デイジーと過ごして性格や趣向が少しわかった

ホムンクルスにも性格があるそうで創られたときに込められた人格が今の性格の

ベースになっているそうだ

デイジー曰く、デイジーが戦闘寄りベース、妹のマーガレットは家事寄りベース(性格は怒らせたら怖い)で料理は得意ではないらしいがわたしに言わせればすべて完璧にみえる

わたしの好みの味付けや好物が完全に把握されていることに怖くなったが気にしないことにした

デイジーはわたしのお世話をすることが大好きなようで食事から着替えやシャワーまでなんでも手伝いたがる

初日、食事は子供みたくあーんと食べさせようとしてくるので1日戦ってなんとか自分で食べれるようになったが、着替えやシャワーは頑として譲らなかったので今はもう諦めて好きなようにさせている

もともと低血圧だったわたしが目が完全に覚めるころにはネグリジェからデイジーの選んだ服へと着替えさせられ、髪までセットされていることには感嘆としかいいようがない

最初は恥ずかしかったがデイジーに素っ裸で草原の真ん中でノズルしかないシャワーで体を洗われ、服を着させられるのも慣れてしまった

慣れとは恐ろしい



わたしはユーフォリアについても聞いた

デイジー曰く「わかりやすく簡潔に説明すると地球の中世の文明レベルでいわゆる異世界ファンタジー世界です」と言われた

漫画じゃんと思って少し期待したが管理神がいない為に、魔物が増え、魔物が少ない土地を奪うために国家間の争いも多くなっており、信仰も失われつつあり嘆かわしいことですと悲しそうな表情で答えた

デイジーはノワールの眷属に当たるらしくユーフォリアであれば自由行き来出来るらしい

が、管理惑星ユーフォリアはユーフォリア自体がノワールのものである為に、大地どころかそこに生きる全てのものがノワールのもの。許可がなければ殺生どころか草木一本排除することも許されないとのこと

前も野盗に襲われたがノワールさまのものなので殺せずに転移で逃げ帰ったと笑いながら話していた



デイジーはブランさまが推すように優秀だ

いや優秀という言葉では表せないかもしれない

わたしはユーフォリアでの生活がかなうことを前提にデイジーに剣と魔法を習っている

デイジーに今のユーフォリアを考えて自分で身を守れるくらいには剣を使えるようになりたいので教えてほしいとお願いした

ノワールさまはこちらの剣がお好きでしたよね?と練習用の木刀を渡されたときは火付け盗賊改め方をやっぱり見られてたかと冷や汗が出た


直接言葉で頼ってもらったのがうれしかったのかどうか不明だがデイジーは非常にスパルタだった

元気だった子供のころを思って素振りに励んだがクタクタになるたびにヒール(**聖属性下級魔法・疲労や打ち身・打撲・擦り傷程度の外傷を治す/熟練度に応じて効果上昇)で起こされるということが幾日も続いた

その甲斐もありはじめてデイジーと木刀を合わせることが出来た

当然だが剣もデイジーにはかなわない

木刀の一太刀でわたしの木刀を中央あたりで切り飛ばす力量に唖然とした

「ノワールさま、スジがよくなってきております。励みましょう」

デイジーに頭が下がる思いがした



あと異世界ファンタジーと言われた時から魔法の存在への期待があったがやっぱり存在していた

魔法は身体の中へマナを取り込み魂で錬成して放出するらしい

わたしはかめ●め波みたいなものかな?と勝手に解釈していた

デイジー曰く、わたしは魂の器が大きく魔法に適性があるらしくその点は非常にうれしかった

マナを体を巡らせるコツを掴んでからはあっさり、魔法の初級も初級というトーチ(**火属性最下級魔法・指先に親指大ほどの火を灯す/熟練度に応じて消費マナ減少)を会得した

気を良くしたわたしは、一番気になっていた氷の最下級魔法1種類、下級魔法1種類とデイジー得意の闇の最下級魔法1種類、下級魔法2種類も続けて習い会得した

デイジーに自分を守るためにも闇の最下級魔法ダークビジョン(**闇属性最下級魔法・暗いところでも見通しが良くなる/熟練度に応じて距離延長)と下級魔法アンストッパブル(**闇属性下級魔法・一定の間、行動阻害を無効化する/熟練度に応じて効果時間延長)は特に覚えてほしいといわれ会得した

ちなみにこの中でわたしは氷の下級魔法アイスバレット(**氷属性下級魔法・拳大の氷のつぶてを飛ばす/熟練度に応じて連射弾数増加)を気に入ってしまい、アイスバレット改(**氷属性下級魔法・拳大の氷の複数のつぶてを散弾で飛ばす/熟練度に応じて????)を作り上げてしまった


さらに氷と闇の中級魔法も教えてもらおうとしたが下級魔法を自分の物にすればするほどマナの消費も少なくなりますし、魔法の強さも上がっていくのでまずは今覚えている魔法の練度を高めていきましょうと窘められた

ただノワールを継げば剣や魔法など必要なくなりますとも言われたが







「精が出てらっしゃるようですわね」

いきなり背後より声がかかった

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公爵令嬢は掃除する おもち @omochi9940

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