第19話 救出③
「あん?」
ドムは自分の
(赤毛のボーズ、あれを使うには早すぎじゃねえかあ?)
ボリボリと頭を
程なくして部屋の中心がボウッと光りはじめ、
「お前さんよ、ちょっとは
しかし、
「はァ?! え? あ、アンタ
「ドムさん! 助けて! ガヴィを助けて!!」
よろず屋の主人ドムは
(――まて、ちょっと落ち着けドムさんよ)
一つも落ち着いていやしないが、頭を整理しようと息を
自分の
しかしドムの知り合いにはこんな少女はいない。
(なんでこのお
改めて少女を見る。
少女は
やけに小汚い服を着ている。というかよくよく見ると体に合っていない。
顔は何かで切ったのか小さな
「?! ……っ?」
服が体に合っていないどころか、そもそもこの少女、下のズボンを
服が大きいのでチュニックのようになっているが上着だけである。しかも
「ちょ…!
お
思わず自分が着ていた長いガウンを着せる。
ふと見ると、少女の首には見覚えのある赤い太陽を
(まさか)
「私、アカツキです! ガヴィが連れてた!」
少女が必死に
「
ドムさん、お
そのままグイグイとドムの腕を引っ張り、今にでも
「ちょっと落ち着きなよお
……お前さんの言葉を信じるなら、アンタはあの赤毛ボーズが連れてた
その言葉にイルは
「いや、ちと落ち着きなって。
まずは……そうだな、とりあえずまともな服着てよ、ちゃんと説明してくれや」
そう言ってドムは店の商品をひっくり返してイルが着れそうな服と
「……顔拭きなさいよ。ちと
そこで初めてイルは自分が
ピリピリと
「……で?
ドムも部屋の
イルはノールフォールの森には調査で行った事、調査中に出くわした
「一応
今すぐにでもあの小屋に戻って、ガヴィの無事を
「……でも、私だけじゃ絶対に助けられないから、ドムさんの力を借りたいんです。
ガヴィは、
ドムさんにはなんの得にもならないけれど、お
「……
イルは
「ま、でも、何の得にもならねえが、
……お得意様を失っちゃ、
「!」
宮中一級酒も
「ただ一つ問題がある。
ノールフォールには行ったことがあったから
たがガヴィのいる小屋には行ったことがないから道を
「お
イルは
「オイオイ、そんな顔しなさんなって。
……移動
「イメージ?」
イルが聞き返すとドムはニヤリと笑った。
「そう。自分の行ったことのある場所を
イメージと実際が
「やったことはねえが、お
どうだ、やるか? のドムの
ならば思い立ったが吉日とドムは立ち上がり、イルを部屋の中心に
「いいか? 今から
今だ! と言ったらお
その際、必ずドムの手を離さないこと、離せばイルのイメージを拾えないし、もしイルとドムが別々の場所に飛ばされた場合、助けに行けない事を注意された。
イルは深く
「よし、はじめるぜ」
イルはドムの左手をギュッと
ド厶が
「今だ!」
ドムの
ガヴィの元に行きたい! と。
***** *****
(――あ?)
不意に意識が
だが目の前が真っ暗だ。いよいよここが
軽く頭を動かすと視界が開ける。
……まあ視界が開けたところでやっぱり
天井が低いと思ったのは自分が
二、三度手を
辺りを
ガヴィは前後の
(アイツは……
……頭は
ベッドを背もたれにしてふーっと息をつく。
どうやらアカツキが手当てをしてくれたらしい。
小屋の
(アイツも無事
まだ完全復活とは言えないが、さっきに比べれば天と地の差だ。
(あぶねーあぶねー、
直前の出来事を
(アイツ、結局
あー、でも中身があれなら、色々
何故自分達と行動を共にしていたのか、何故人になれる事を
けれどガヴィは何かストンとアカツキの存在が
悪意があって近づいたわけではないことはガヴィを助けた事でも
「ま。また会えたらだけどなー」
「ん?」
光は
突然の事にぽかんと口を開ける。
ガヴィが立っていることを
「ガヴィ!!」
「おわっ!」
もはや体当たりと言っても
「オイ……」
「良かった……良かったよぉ……」
ぎゅうぎゅうと抱きついて泣くイルに、ガヴィは
「……感動の再会の所悪いんだけどねえ?
この状況良く無いと思うんだわ」
ハッと
ガヴィはベリッとイルを引き
「どうやらこの小屋に向かって、いくつかの足音が近づいてるみたいよ? どうする?」
ドムの問いかけにガヴィは
「ここを
ドムは無言で
程なくして、数人の兵士が
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