第3話 赤毛の剣士①
イルの生まれ育った里はアルカーナ王国の中でもかなり北に位置しており、広大な森の中の奥まった場所に位置していたため生まれてこの方、森の外に出たことがなかった。
たまにくる行商の人間や、国境を
一族の直系で族長の娘といえど、生活はほぼその辺りの村娘と変わりなく、
だが、成り行きで旅の道連れとなった赤毛の剣士、ガヴィが
(――
いくら武人とはいえ、
「王子、ワリーけど
……
え? ……軽すぎない?
上下の関係などまるで感じないようにポンポンと交わされる会話。
気さくに話す様は好感が持てるが、それはあくまで
別に自分は
「全然だいじょうぶだよ! ぼく、がんばれる!」
しかし王子の方もなんの
「アカツキ! がんばろうねっ」
アカツキことイルに向かってニコッと
イルは
「おぉ、すっかり
ガヴィがわざと肩を
「なかよしだねぇ〜」
王子がニコニコと笑うので不本意だがぐっとこらえる。
この
だがしかし、
ガヴィは口は悪いが旅の道連れとしてはとても
なんせこの一行は世間知らずのおんな子ども(
ガヴィは
そして何よりも明るい。
加えて、王子と一匹の数歩先を行くガヴィの
初めて会った時、おひさまみたいだと思ったけれど、夜の
「
「……母上、しんぱいしてるよね」
しょんもりと王子が
ガヴィはポンポンと安心させるように王子の頭を
「大丈夫さ。心配はしてるだろうけどな、
「……
「おぅよ。王子を追っかける
本来の
王子は無事、と。
「他にもまだ
「そっかあ〜! じゃあ安心だね!」
ね〜! とイルの顔を見てにっこりする。
「……まあ、王子の
「ん?」
ポリポリと
***** *****
「どーーして?! ヤダヤダヤダ!」
結果、
までは良かったのだが……。
「だからな? 王子。
ガヴィは王子の予想通りの反応に苦笑いだ。
「なんで?! なんでアカツキを連れて行っちゃだめなの?!」
イルはオロオロとガヴィと王子の顔を見比べた。
「だからよ、
森で
「拾ったんじゃないよ! 友だちになったんだもん!」
「いや、そういう問題じゃなくてだな……」
王子はもう半べそだ。
ガヴィはやれやれと王子の前にしゃがみ込んで目線をあわせた。
「…あんな? 王子とアカツキが友だちになったのは
アカツキはこの通りどっからどう見ても普通の
人の言葉が
「……でも……
イルは自分の事で
ガヴィは王子の顔を
「……ずっとダメだとは言ってねえよ。
まずは王子もアカツキも
んで、アカツキが王子と
王子がパッと顔をあげる。
「俺んとこでコイツしばらく
……ちゃんと王子の側にいても大丈夫だって、
……だからちょっとだけ、
目線でそう問われて、王子は何度もうんうんと首を
かくして、イルことアカツキは赤毛の剣士、ガヴィ・レイの一時預かりとなった。
────────────────────────────────
☆ここまで読んで下さって有り難うございます! ♡や感想等、お聞かせ願えると大変喜びます!☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます