第2話 森の中の出会い②
王子の名はシュトラエルと言った。
このアルカーナ王国の第一王位
そんな彼がなぜこんなところに居たのかと言うと、この森の南にある王家の
ガヴィ・レイと名のる赤毛の男は実は
本来ならば
とは言え、二人だろうが三人だろうがガヴィにはさして問題ではなく、あっという間に一人を切り倒し、実力の差は
負けを認めて
――が、
残りの一人が剣士ではなく、
ガヴィがハッとして
「くそったれが!」
追いつかれてから今に
しかし移動の
ただ移動しただけであればさして
なんの
ガヴィはすぐさま
***** *****
「いや、ま、ほんとにお前が
カラカラと笑って赤毛の剣士ガヴィはイルの頭をわしゃわしゃと
イルは
イルは鼻先でガヴィの手を
王子は
王子の手は子ども特有の体温のせいか、王子に特別な力があるのか、
「さて王子、
急ぎ
「うん!」
ガヴィに
「……オーカミさんはどうするの?」
「……どうするったってなあ……。
そいつはこの森の
なあ? と赤毛の剣士はイルを見た。
イルは
それはそうだ。
王子とこの剣士とはたまたま出会っただけで、なんの関係もない。
そもそもお付きの剣士の登場により、イルが王子の側にいる理由も何一つないのだ。
――でも、
イルはもうこのぬくもりを手放したくはなかった。
もう、一人は
「……さよならなの? オーカミさん。
……ぼくと
大きな
王子の
それだけで王子には気持ちが伝わったのか、パッと
「……
ガヴィがピュゥと口笛を
「
「友だちねぇ……。それでも充分
ガヴィは大げさに
「えーと、ずっとオーカミさんっていうのも変だなあ……」
「……名前でもつけてやんのかよ?」
赤毛の剣士は面白そうに問う。
「う〜ん……」
「
だってオーカミさんの
夜明けの金色の光みたいでキレイなんだもの!」
満面の笑みでどう? と問う王子の笑顔が
「決まりだね! アカツキ!」
シュトラエル王子との出会いはイル=アカツキにとって特別なものとなった。
「アカツキ。ずっと、ずっと一緒にいようね」
(王子はきっと特別な子なんだ)
だってこんなにも胸が
あんなに悲しいことがあった後なのに。
この王子は知らぬ
イルの名が、一族に伝わる古い言葉で『夜明けの太陽』を指す言葉であることを。
同じ太陽を示す名をくれた事に、イルはそれこそ太陽を見つめるように、
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