第8話 (´⊙ω⊙`)


正直に言ってしまうと...アイツに感情が揺らぐ。

だけどアイツの変態行為のせいでこうなっているだけだと思うので多分恋愛感情ではないと思う。

まあ正直困ったものだ。

アイツにも、だ。


「...やれやれ」


そう言いながら俺は部屋を掃除機をかけて掃除をする。

正直、気分転換か何かないと困惑する。

思いながら俺は雑巾で窓を拭く。

するとスマホの電話が鳴った。

超ビクッとした。


「お、お前な。何だよ」

「先輩。大切な話があります」

「...何だ改まって。また変態行為か」

「違います。...その。変態行為以上に深刻な話です」

「あ?」

「私、実はですね。...兄が居ますけど」

「あー。そうだな。噂程度には聞いているが兄がどうした」

「...貴方の彼女を寝取ったのはその兄です」


その言葉に雑巾を落とした。

ビチャッと音がして水滴が広がる。

俺は衝撃を...受けない。

まあ予想はしていた事だったから。


「...やはりか」

「...やはりかっていうのは?」

「お前の家族が多分俺の彼女を寝取った。そういう事だと思っていたって事だ」

「早めに言ってくれれば良かったのに。先輩」

「逆に聞くが聞いてどうなる。...互いに困惑するだけだろうしな。...で、何でそれを話す気になったんだ」

「兄と決別しました」

「...は?」


どっちかといえばそっちの方が衝撃なんだが。

そう思いながら俺は話を聞く姿勢を取る。

雑巾を拾ってバケツに入れる。

すると山吹はこう言った。


「...実はですね。...兄の事を全部、家族に言いました」

「...そしたらどうなった」

「当然、勘当ものです。...兄が、です。...家追い出されています」

「...ああ。そうなのか」

「女子高生に淫乱した様なクズは要らない、だそうです」

「良かったんじゃないか?それで」

「はい。まあそれは良かったんですけど...あの兄は頭がキレます」

「...ああ」

「復讐するって言い残して去って行きましたので」

「そりゃ警察ものだろ」

「と思ったんですけどね。...警察も取り合ってくれませんでした」

「何でだよ」

「証拠がないので」


そして山吹は盛大に溜息を吐く。

それから肩をすくめる様にしながらこう言った。


「それで先輩にお願いがあります」

「...ああ。何でも聞くが。...どうした」

「何でも聞くって言いましたね?」

「...あ、ああ。言った」

「泊めて下さい♡」

「アンタバカァ?」

「私は既に貴方の家の前に居ます」


どういう事だ。

そう思いながら俺は駆け出す。

それから玄関を開けると旅行鞄を持っている山吹が...。

俺は汗をかく。


「待て。どういう事だ」

「んー。...まあ私が好きな人の家に泊まりたいなって」

「よく親が許可を出したな。俺だったら認めないぞ」

「そうですか?深夜の路頭に女子高生が迷います。...レイプされたらどうします?」

「...」


俺は盛大に溜息を吐いてからそのまま家に招き入れる。

というか今とんでもない事を言ったぞコイツ。

好きって言ったな。


「...お前な。このタイミングで好きって」

「いやいや。もう気が付いているでしょ?先輩も。...私、先輩が好きです。じゃないとキスもしません」

「好きの活用法間違っている」

「あれ?先輩のご家族は...」

「話を聞け」


そして山吹は家に押し入って来る。

俺はその事に汗を吹き出しながら玄関を閉めた。

周りを見渡す山吹。


「じゃあ先ずはリビングに」

「...お前な。ここはお前の家じゃない」

「いえいえ。そのうち私の家になりますもん」

「どういう意味だ!?」

「言葉通り。私は先輩と結婚します。一生一緒に居ますよ」

「...」


俺は盛大に溜息を吐く。

それから俺はリビングに山吹を招き入れる。

すると山吹は冷蔵庫を開けた。

そして食材を放り込む。


「お世話になるので色々買ってきました。お金も勿論あります」

「買ってきました、じゃない。マジに巣食うつもりか」

「え?じゃあ私、どこに行ったら良いんですか?」

「...」

「...まさか先輩。私をこの町の深夜の路頭に放り込むつもりですか?」

「いや。だから極端だって」

「良いですか?先輩。女子高生は男の人にとってはとても価値があります」

「手出したら犯罪だけどな」

「先輩なら犯罪ではないですけどね」


そしてウインクする山吹。

俺は額に手を添えてから首を振る。

すると山吹は食材を直し終えてからエプロンを身につけた。

何をしているんだっていうか。

用意周到か!!!!!


「エプロンってお前な。人妻の様な...」

「先輩はえっちですね」

「お前がな!!!!!」

「先輩。私の着替えはどこに仕舞ったら良いですか?」

「コロコロ切り替えるな!」

「先輩。うるさいです」

「お前がうるさくしている」


俺は盛大に溜息を吐く。

それから指示を出す。

どこに入れるか、とか。

お風呂はここ、とか。

掃除用具はここ、とか。

家財道具はここ、などなど。


「そうなんですね。分かりました」

「ああ。で、家族の帰りは遅くてな。全て伝える様に電話しておく」

「そうですね。じゃあ帰る前に一緒にお風呂に入りましょう」

「ああそうだ...は?」

「だって先輩も埃っぽいです」

「ああ。バラバラで良いけどな」

「さあ入りましょう」

「コラコラァ!!!!!」


話を聞けコラァ!!!!!

そう思いながら俺は慌てる。

だがそれを引き摺って行こうとする山吹。

コイツアホか!!!!!

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彼女が寝取られた...そしてその失恋の中、俺を大切に好きになったのはその彼女を寝取った男の妹だった アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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