第2話 パーリー


ひゃー!!!!!

私は何をしているのだろうか。

屋上でストリップ?!私は変態か!

でも先輩だしなぁ相手は。


「...」


そりゃ変態行為にも走るよね。

あの時、助けられた。

電車自殺をしようとしたあの時に私を止めたのは貴方だったから...。

受験の最中に私は受験の圧力に押し潰されそうになったから自殺しようとした。

そして私を助けたのは貴方だった。


「...先輩は聞いてもすかしてばっかりだけど。絶対に私は忘れないですよ。私はあの時から先輩を...」


全く...私を生かした責任をとってほしい。

そう思いながら私は走りながら教室に帰る。

先生は怒っていた。

その中で私はしゅんとなりながら椅子に腰掛ける。

すると友人の赤田園美(あかたそのみ)からメモ用紙を渡された。

そこには(どうしたの?)と記載が。


うーん。

屋上でストリップをしていたとか言えないね。

そう思いながら私は(あ、うん。実はちょっと腹痛で)と書いて渡す。

園美は目を丸くしながらメモを読む。

(そうだったんだ)と書いてきながら、だ。


そして私達は授業に参加する。

さてさて先輩と同イチャイチャしていこうかな。

あの下等種族の様にならない様にイチャイチャしたい。

猿どもが絶対に許さない。



「おいどうした」

「何だ。お前田か」

「(お前)と(前田)をあくまで掛け合わせんな。そうだな。前田健(まえだけん)だよ。...どうしたんだお前?帰って来てから様子がおかしいぞ」

「俺か...俺は普通だぞ」

「絶対普通じゃねー」


俺は授業が終わってからうつ伏せになっていると叩かれた。

その相手は前田健だった。

坊主頭のそばかすのある男。

身長は俺よりも低いが頼り甲斐のある男だ。

で。


「...やれやれ。ったく。どうしたんだ。前田様に話してみろ」

「お前な。...まあその。色々あんだよ」

「もしかして千智ちゃんとか?死ねよ」

「お前な...まだ何も言ってないだろ...」

「いやいや。お前の悩みは碌なものではない。察することが簡単すぎる」

「ふざけんな死ね。お前は悩み聞くって言った癖によ」


俺が常の変態みたいな言い方すんな。

そう思いながら前田を見る。

伸びをした。

そして先程の...光景を...。

赤面した。


「ああ。その様子だとやっぱり千智ちゃんか。マジに殺すぞ」

「あのな。殺す殺す言っている方が殺されっぞ。ざけんな」

「宣戦布告なんだよお前の存在が。...童貞舐めんな。クラスの男子に謝れ」

「...」

「つーかテメェ。付き合っている女子が居る癖に」

「...まあそれは置いておいてくれ」


前田は「?」を浮かべながら俺の顔を覗き込む。

俺は「...」となりながら考える。

正直、あの女は思い出したくない。

そう思いながら俺は首を振った。


「まあそれはそうと。部活はどうなんだ」

「ああ。大会に出そうだ」

「あー。地区予選に勝利したって言ったもんな」

「まあ俺は補欠なんだけどな」

「にしてもすげーじゃねーか。ボケ」

「そうか。有難うよ」


前田は鼻高々に鼻の下を拭う。

コイツはアホだからこれであの女の話は逸れたろ。

そう思いながら居たのだが。

前田は「で。話を逸らそうとしても無駄なんだが」と俺を見据える。

駄目かー。


「...何があった」

「...あー。実はな。あの女、二股だった」

「...あー...マジか。クソだな」

「どクサレのクズだ」

「...最悪だな」

「取り敢えず最低最悪だからあまり傷を抉ってほしくないのよ」

「...分かった。じゃあ何か食うか。放課後」

「何でそうなるんだよ」


そう話していると「私も良いですか?」と声がした。

見るといつの間にか山吹が居た。

俺達を見ながら笑顔を見せる。

所謂、腰に手を添えて前のめり。

毒だ。


「お...おう。千智ちゃん」

「こんにちは。前田先輩」

「...その。聞いていたの?」

「大丈夫だ。前田。コイツは何もかもを知っている」

「は?知っている...マジで?」

「そうですね」


山吹は笑顔になりながら前田に返事をする。

すると前田は「コイツから?どこで知ったの?」と聞いた。

ナイスな返事だ。

俺も聞きたい。


「はい。内緒ですぅ」

「内緒かー。つれないねー」

「内緒は内緒です。乙女に二言は無いです」

「うーぬ。...だ、そうだが。どうするよ?富山」

「あー。んじゃまあお前も行くか」

「はい!勿論。一緒ですよ」


一緒...?

こうして放課後に謎のパーティーというか。

失恋?パーティーが開かれる事になった。

因みにだが俺はまだアイツに別れを切り出してないのだが。

どうしたものか。

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