7話


 グリフォンを討伐した。

 ベルヴェールは焼け野原となった。

 その場所を、後にして何匹かのモンスター達と、戦い…………そして現在も一体、しかも大きな一体。

 

 ベルヴェールは地竜アースドラゴンと戦っている。

 それも、地竜アースドラゴンとの戦いはもはやもう、終わりに向かっていた。

 何故なら、今、ベルヴェールと対峙している。

 地竜アースドラゴンとしていた。


「はあ!!!! 照らし与えし分身陽炎カゲロウ

 自分の近くに自分の幻を一体生みだし攻撃する。


「GYAN! AAAA!! GAOh」 


「影、日向に裂く。日影の陽炎ヒカゲノカゲロウ」  

 火、闇属性の複合……自分の近くに、自分の幻を一体生みだし攻撃する。


「GYAAー!! ONWON」

 

 火属性の陽炎は幻を見せ、影属性の影狼は対象者の影の中から更に追撃と刃が出る。

 

陽炎カゲロウ

 ――斬

「GYAAAAA!!……Oh」 

 周囲の光を屈折させて攻撃、回避と補正を得る。

 

「闇に潜みし影と闇。追えし影狼カゲロウ

 闇精霊魔術、召喚。

 通常は追跡型だが、自身の影に潜らせ。

 ベルヴェールは奇襲と追撃に備える。

 

影廊カゲロウ

  闇魔術の応用。

  対象は視角を失う。


夢喰いの迷宮ソムニキュバス・ラビュリントス……悔恨の産声パルトゥーレ・ピグマ……』

 第十一階梯、闇魔術と土魔術ぬ複合結界。

 深淵が包みし迷宮で、死精霊バンシーの叫びを聞けせる。

 聞いた者は、精神異常を起こし、明かりなき道は、世界は自我を失う。

 

「GYAAAAA!!」 


煉獄の雄牛パガドリウムブル!!」

 ……闇魔術と火魔術の複合結界。

 煉獄の雄牛パガドリウムブルの檻に入れられる。

 

「GYAAAAA!!……」

 

地竜アースドラゴンの四肢から始まり。

 次々と、闇の槍が突き刺さり火魔術で身体を炎が包んで行く。

 

「……AAAA!! GAOh」

 動かなくなった身体に纏わりつく。

 火炎が地竜アースドラゴンを呑み込む。

 

「Oh!! GYAN!」

 その姿は雄牛の檻になり。

 

「ONWON」

 ドラゴンの鳴き声とは思えない、牛の様な声が檻の内側から響くのだった。

「……Ooooh」 

 ――ドっ轟!! ガーーン。


「なっ?」

 ベルヴェールはただただ驚く。

 牛の炎の檻が破られた。

 煉獄の雄牛パガドリウムブルが急激に冷え爆風を起こす。 


 吹――轟!! ――轟!!


 ベルヴェールはすかさず。

「んっりゃあああ」

「GYAAA!」

 ――斬、地竜アースドラゴンの首を一閃

『た……け………』

『れOh……』

 ドサッと首が落ちたかに思えた。

「なっ!?」

 

 (ん? 身体は流石、ドラゴンと言うべきか? まてまて。さっき一瞬声が聞こえたような気がするんだが、…… 地竜アースドラゴンは話せるのか??)

 

 ベルヴェールは地竜アースドラゴンをジート見る。

 四肢等の闇の槍以外目立った外傷はなく。

『…………けて』

 (ん? いやいや違う。……そうじゃない。誰だ) 

『声……番か?? いや違うな』

 

 もう一匹の、雌? 地竜アースドラゴンが現れ。


 隠れる様に羽根付きの男亜人がいた。

 

 ベルヴェールの場所からは羽根付きの亜人が見えない。


「ギャーアオー!!」


 ベルヴェールは一端、その場所から距離を取り。

次元切断ディメンション・スラッシュ……損傷修復移行トランスロケーション・ダメージ……示し合わせ伝え灯せ。三叉蝋燭の導キャンベルのしらべ

 空間魔術で次元を切り裂き。

 追跡用の火魔術で、いくつか指定ポイントを作る。

 

「ギャオーーー」


 (二体一は厳しいか? いや、それよりも、この血の匂いで他の魔物が現れる。……厳しいな。罠をはろう)


 

 もう一匹の、雌の地竜アースドラゴンは体は少し焦げながらも、番のが入って居た。

 煉獄の雄牛パガドリウムブルの魔術を倒した。 

「ギャオギャオギャーーー」

 それでも、雌の地竜アースドラゴンは気にせず立ち向かって来る。

 (先程よりもデカイ!? あっ……女性に対して失礼か。ダメージも無さそうだし)

 

「な」

 メース♀地竜アースドラゴンの突進をさらりと躱し上空へ迂回すし、去り際に「次元の観察眼プレイナーチェック……」 

 と、一言、時空間魔術で、罠の場所。

 タイミング、時間を指定して確実性を上げて行く。

 

「ギャオーーー」『のわああああ』

「GYAAー!!GYOOOO」「…………」

 もう一匹の、地竜アースドラゴンは苦しそうだが生きてはいる。

 

 初めに戦って居たはずの地竜アースドラゴンは、どさくさに紛れ自ら逃げようとしたので拘束する。

 だが、今はそれが仇になった。

 

 背水の陣になった。

 手負の地竜アースドラゴンに力が入る。

 (火事場の馬鹿力か?? 雰囲気が戻った)

 

 ただ、オース♂の地竜アースドラゴンの裂傷、火傷の血から。

 餌と勘違いした魔物が、かなり集まっているように見える。


 (魔力感知の余裕は無いな)


 ベルヴェールは冷静に視野を広げる。

 ここまで、何度か連戦、魔窟で死合をしたのだ。

 ベルヴェールは戦闘に順応して来ている。

 翼を再び広げ飛び立ち。


 臨界体制を取る。

 (早くしないと) 

 何故? ベルヴェールがこんなに、時間を急かすかと、言うと。


 

 魔物達は、今はまだ収まっているが。

 更に上位種、奇行種がドラゴンの血の匂いに魔物が集まるかも知れないからだ。

 

 ドラゴンは捨てるところが無い。

 ……と言われる程、その身体は冒険者は勿論。

 魔物達ににとっての価値も同じだろう。

 

 (倒せれば……だがな?? 宝の山だろう)

「はああああああ!!」

 絡まった炎の蔦に絡まる二匹へ向かい。

 回転斬りをする。

「ギャオーーーノ」「GYAAーOH」

 (倒せればだが…………、多体対一の戦いか、生前を思いだすな)


 

 ベルヴェールは挨拶変わりに、手負いのオース♂の地竜アースドラゴンに向けて双刃の槍を投射する。


 (行け!! モンスター双刃の槍ポール


 轟!!!!

「GYAAOh……」

『捕まっ…………なんだよ』

 ただの威嚇射撃だ。


 

 ベルヴェールは、いい加減にしろと念話に答える。

『あーもう。さっきから念話か?? 聞こえる気がする。邪魔だ!! 辞めてくれ』

 

 

 だが、雷で小さなクレーターは出来ている。

 (っひぃ)

 念話の男の声が漏れる。

 ……

 戻る双刃の槍を直ぐ様

「収納、取り出し」

 黒刀へ変えて魔力を流す。


 二匹の地竜アースドラゴン目がけて……

 では無く。 

 ブルヴェールは空中に素早く第一階梯の魔術を放つ。

 

火球ファイアボール火球ファイアボール……」


 手負いの地竜アースドラゴンは悔しくも目が朦朧としながらも、上を見上げる。

「……Oh」

 羽根付きの男、亜人も見上げる。

 番の地竜アースドラゴンは上を見ながら火球ファイアボールの塊であろうと、油断せぬ様に見つめた。

「ギャオウ」

「のわああああ」


 怒轟ッ!!

 花火の様な音と突如鳴く地竜アースドラゴン。 

「GYAAAAA!!」 

「ギャオギャオーーー」

 番の地竜アースドラゴン火球ファイアボールを直視していた。


 

 そして魔術、魔術式変換を目の当たりにして。

 視力、視界を奪われた。

 (これで、二匹の視力は奪ったな)

 正確には羽根付き男入れて三匹よ。

 …………

 ベルヴェールが今の一瞬で何をしたか??

 それは太陽を作った。 

火球ファイアボール……複元拡張エクス・インテグラル。爆ぜろ炎陽サン神陽ダジボーグ

 

 小指程、萎縮した。

 二つの火球ファイアボールを再拡張し、爆ぜさせた。

 そして、再構築と更に魔力を込めて、合わさり大きく形を変えて。

 火球ファイアボールは、紅炎と白炎の太陽へと二つ子の疑似太陽の姿で現れる。


 …… 

 群音っ!! 怒轟!!

 グオンとドオンと上昇する温度と熱気。 

 地上はそこまでではないが、二つの太陽に空は空気を完全に変えた。

 

『ギャーギャーギャギャ……ギャー……』

「のわああああやめてくれーーー」

 血の匂いに誘われて来た。 

 空から翼ある上空の魔物達が、バシャバシャと墜落して行く。


 落……断っ駄々ン――貫々――砕散ッ……!! 

 血肉の雨!? もはや塊。

 転落事故だ。


 ベルヴェールはやっと気づく。

 (落ちたのかな? 亜人? がいるな)

 

 そう、翼ある上空の魔物達は空の熱気に焼かれ窒息した。

 そのまま眠るように息を引き取った者。

 墜落死したもの、なんとか生きながらえた者。

 三者三様だ。

 

 

 番、二匹の地竜アースドラゴンは視界を奪われ。

 落ちる肉塊の失落工事現場の音を聞くしかない。

 

 落……

 断っ!!

 駄々ン

 ――貫々――砕散


 

 ベルヴェールは、この隙を見逃さず。

召喚サモン魔女達の写し鏡マジャンズミラージュ……紅鏡シャムシエル

 

 紅白陽を周囲の温度を更に、火球照らし合わせ。

 太陽光の力、増幅反射を円環にして繰り返し続け。

 同時に別の魔術も続け始める。

連鎖する術式改変チェインチェンジマジック

 

  

 名前の通り機関銃の様に術を放ち続ける。 

 生前の大地を思い出す様だ。


 ベルヴェールは新しい身体にも、魔術にも慣れ。

 いつの間にか、召喚魔術も使える様になり。

 当たり前の様に二重詠唱を行う様になった。

  

「はあああ 俺の王冠。王火キルシュバオム!! 更に示し輝け 超新星スーパーノヴァ!!!!」

 ……王火キルシュバオム、王冠または腕輪の形をした『

 

 この術は術者の……命と魔力を大幅に削る禁呪。

 ……だが、シャンゼリオン一の火炎魔術耐性。

 不死身のベルヴェールに関係無い話し。

 また、この禁呪は普通、攻撃用だが、ベルヴェールは自己バフ用に変換使用している。  



 ベルヴェールはゼロツーとアンジェリカが、この裏で話しを繰り広げる間に、転換魔術も身に着けたようだ。

 

  

怒りの日ディエス・イレ血塗れの戴冠式ブラッドバス・クラウン召喚サモン! 燃える本能寺オベリスク・ジャプ我が旅路に従え獣ズヴェーリ・クレースニーホッド焔火の人々オーバーヒート …… 生霊の憑代ハウンズ・ポゼッション

 

『行け!! 俺の火山の巨兵達ボルケーノ・ジャイアント!!』

「ガーーーーーンアーーン」


 

 ベルヴェールは息も瞬きの時間も与えず続ける。

 (連鎖する術式改変チェインチェンジマジック


 

召喚サモン火精霊ファイア風精霊ウインドウ結合融合カップリング熱風精霊ハーヒート人魂乱踊るヒトダマダンス炎霊の火唱曲サラ・サラウンド・ブレイズ……容器の破壊シュヴィーラー!!」

 

混乱コンフュージョン結合融合カップリング……精霊龍の息吹コントゥ・ブルー・ドラゴン・ブレス!! その風、燃やせ追い風になれ。火山の巨兵達ボルケーノ・ジャイアント!! その道に通るが消炭の足跡。竜の鉤爪リュウノカギメ!!!!」


 (雄叫びを上げ進む。進撃の巨人)

「ガーーングガーン」

 …………

 先程気づいたが、雌の地竜アースドラゴンに追われていた。

 羽根付きの亜人男が言葉や心で呟き続ける。 

(こいつの、竜の爪。嵩取る権力を引き裂く為の、爪だ!!!」


 指を竜の爪のような形にし、覇気? 魔装で強化した状態にしている。


 羽根付き男は呟く。

「竜爪拳。物には必ず……『核』がある」 

 (サボー!! ファイ!! サボ、ファイ!! オー

 ◯nepiece、うん同郷出身て事で忘れて欲しい……はい)

 

 雌の地竜アースドラゴンに追われていた事忘れて羽根付き男は呟く。

「この火山の巨兵達ボルケーノ・ジャイアントの指の力が異常だ!! ……」

  と言わしめるほど。

 

 ここまでが、ベルヴェールの一連の一瞬だった。

 ベルヴェールは、雲を突き抜けるほどに巨大な光炎の尖塔を召喚する。 

 火山の巨兵達ボルケーノ・ジャイアント大量の溶岩を全身に纏い、火雷大神ヴォルフ・ゲブリュルに進化する。

 召喚魔術と火魔術複合、神呪だ。

 

 

 精霊龍のファイアブレスで巨人は、走り通る道を灰にし、地竜アース・ドラゴン達に攻め込みにかかる。


 更にベルヴェールは天空の紅白陽。

 円環式魔術で紅白陽を鏡の反射で自身に集める。

 自身も精霊化し太陽の化身となって。

 空にベルヴェール含めた。

 三つ……いや、四つの太陽が現れた。

 これでベルヴェールの攻撃力は……


 羽根付きの亜人の男が呟く。

 (バイバイバイバイ…………バイセコー)


 ベルヴェール太陽。

 紅太陽。

 白炎陽。

 シャンゼリオンの太陽


 天空の空は四つの太陽に見守られ。

 戦いは、まだ続く。

 

猛炎ブレイズ天獄火炎ウリエルウェスタ」 

 激しい炎で対象を攻撃し続け。

 更に激しく大きな炎で対象を攻撃する。

 そして続けと、火雷大神ヴォルフ・ゲブリュルは殴り込みに行く。

 極めて激しく。

 大きな炎で対象を攻撃する。 


 精霊龍の息吹コントゥ・ブルー・ドラゴン・ブレスの吐く。

 猛る炎で相手を熱さ温度を炎飲み込み。

 極めて高い確率で体内を焼き始める。 

 

 逃げようとした番一匹に対して。

「おっと!? 来たからには、。しないとな。!? 嫉妬のエンヴィーフレア


 炎の蔦?? 鞭が絡む。

 そして、もう一体にも同じく拘束する。

嫉妬の焔エンヴィーフレア」)


焦熱地獄インフェルノ

 地獄の如き。

 灼熱の炎で、広範囲を無差別に焦がし尽くす。

大焦熱地獄メガ・インフェルノ

 更に灼熱の豪炎で、広範囲を無差別に焦がし炭と灰の世界にする。

 

獄炎ヘルブレイズ獄炎極ヘルブレイズ・オメガ

 火魔術と闇魔術の複合結界。

 煉獄……地獄は赤、黒、紅、黑、朱玄と下種な油絵の様に塗りたくられる世界。


「ぬああ……」

 そして、地竜アース・ドラゴンから逃げていた。

 羽根つき男も、炎に焼かれ半ば灰に成り、魔石だけを残す。


 

 先程のグリフォンとの戦いでも、木々は燃え散った。

 だが、今回、その火の海は全体に。

 今この場所をおも飲み込もうとして居る。

 ――吹、Bfoooo.OH. NO……


 (やばいな、決め手を見つけないと森の先、荒野……)

 

 

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