第12話 ボーナスポイント
井戸に落ちて、いつも白い空間で列に並んでいた。
死んでしまったか、惜しかったな。
結局ニワトリしか全滅出来なかったから、ポイントもそんなに稼げなかったな。
もっと良いやり方があったかな。
ニワトリより先に牛達を殺せたら、もっとポイントを貰えたかもな。
「次のかたどうぞ」
前世の反省をしていると、いつの間に門の前までやってきた。
邪神のおっさんの声が聞こえ、部屋にはいる。
「死んでしまうと情けない、次の生を選びなさい」
「え、なんでこんなに」
渡されたタブレットを見て変な声が出てしまった
『 ポイント 8820
転生先
スライム 1000
ポイズンスライム 1000
スメルスライム 1450
ジャイアントスライム 2200
リザードスライム 3800
アイアンスライム 5200
ダークスライム 7300
ポイズンフラワー 2500
ニュートレント 3800
レッサーアウラネ 4900
ゴールデンキウィ 7400
ゴブリン 0
ゴブリンリーダー 300
マジックゴブリン 2000
エリートゴブリン 5000
ポイズンウルフ 4300
シャドーコヨーテ 6200
リトルツイート 2300
ブラッククイナ 3800
ジェットスワロー 8200』
「村消滅ボーナスがでたようだな」
「村消滅?
なんで?」
「鳥は全滅したが牛は死んではいないが毒のせいで買い手がつかず、なによりお前が毒を出した状態で井戸に落っこちて井戸が使えなくなった。
そこで村人達は責任のなすりつけあいで対立が始まって、それが原因で村から人が出ていってしまって結局村がなくなったみたいだな」
「そうなのか」
自分がやった事だが、少しだけ村の人達に悪い事をしたなと思う。
「そんな事より次どうするんだ、時間ないぞ」
「そうだった」
やばい予想外にポイントがいっぱいある。
まず1000ポイント貯めてスライムに戻るのを目標にしていたが、ここまで選択肢が増えたというのは嬉しい想定外だ。
まず全てのゴブリン類は全て却下、もうゴブリンなんて二度とごめんだ。
二度となるものか。
よく見ると設定というモードがあり、非表示ボタンがあったので押すとゴブリン関係すべて表示にした。
ついでに今後なるつもりのない、ポイズンフラワー等の植物系も非表示にしよう
よし少し見やすくなった。
さぁどうするかどうせ種族が変わってポイントが0になるなら、一番高いポイントを使う種族にしたい。
種族事で一番高いものだけ表示するという項目が設定にあったのでそれを選択してみる。
そうするとダークスライム、シャドーコヨーテ、ジェットスワローの三択だけタブレットに写りさらに見やすくなった。
やばいどれもいいな。
ダークスライムは実に厨二心くすぐられる名前だな、シャドーコヨーテはどうかな狡猾なイメージがあるがそれも良さそう、ジェットスワローという事はツバメだよな、空を飛ぶかそれもロマンがあるな。
やばいどれにするか、悩むな。
「はい、時間切れ」
無情にいう邪神の宣言を聞きながら意識がなくなった。
そして二度とならないと誓ったゴブリンに再度なる事になった。
九度目のゴブリンの生も非常に短かった、人間達がゴブリンの洞窟にやってきて親兄弟、皆殺しにあってしまった。
ヒューマン達は皆目をバキバキにして、ゴブリンを決して許さないという感じで洞窟にやってきた。
もしかしたら俺が壊滅した村の住民が、復讐しにきたのかもしれない。
まぁお互い様という事だな。
やはり前々世は本当にラッキーだったんだなと、いつもの列に並びながら思った。
「次の方どうぞ」
邪神のおっさんがタブレットを渡してきた。
『 ポイント 8820
転生先 ダークスライム 7300
シャドーコヨーテ 6200
ジェットスワロー 8200』
前回表示を少なくするようにしたので、非常に見やすい。
前世でゴブリンとして短く生きている間に、来世はダークスライムにする事に決めていた。
一度なった種族なので最悪なにかあっても、0ポイントでポイズンスライムに戻る事ができるというメリットが大きい。
ただその前に確認できる事はしておこう。
「質問していいですか、ダークスライムってどういう種族ですか?」
「ダークスライムは闇魔法を得意とするスライムだ、闇と同化する事ができダンジョンで主に生息している」
予想通りだ、この邪神のおっさんは親切心で教えてくれないが、聞いた事はちゃんと教えてくれる。
ダンジョンか、異世界らしくて実にいいな。
ダークスライムにするつもりだが、一応他も聞いておこう。
「シャドーコヨーテはどういう種族ですか?」
「シャドーコヨーテは乾燥地帯に生息するコヨーテだ。集団で狩りをするのがうまいな。
水に弱い弱点があるが、影の中に逃げ込む事ができる」
格好いいな、ただ乾燥地帯に生息するのはなんか怖いな。水不足になるのが嫌だ。
「ジェットスワローはどういう種族ですか?」
「ジェットスワロー、モンスターの中で最速に空を飛ぶ事ができ、一部の人間達には音速の貴公子とも言われている」
「音速の貴公子……シューマッハやん」
厨二心をわしづかみされる、ダークスライムになると決めていたが、ガンガン心が揺れまくっている。
「強いんですか?」
「嫌、そんなに強くはない、一番強い鳥系はフェニックスだ。
ただジェットスワローはモンスターの中で最速というだけだ」
「フェニックスですか、すごいんですか?」
「ああ、フェニックスは鳥系最強だ。
フェニックスは普段は寝ているがいざ起きると高い攻撃力と、圧倒的な再生力を持って暴れる、それに異界を超える特別な力がある」
まじかフェニックスとか鳳凰だよね、フェニックスになったら死ぬ事ないのかな、そしたらこのくたびれたおっさんをみなくてもすむのかな。
「後10秒だぞ」
やばい、気持ちが関係ないフェニックスに持って行かれた。
このままだと、もう二度となるまいと誓っているゴブリンをもう一周経験しないといけない。
時間がなくなり、焦る気持ちと、興奮でタブレットを持つ手が僅かに揺れている。
「えい」
思い切ってタブレットを押し、暗転した。
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