隠キャボッチの俺が、金髪碧眼・巨乳で陽キャな学校で一番可愛い『花守 花音』さんに懐かれました〜俺、いつものようにソロキャンプしてただけなんですけど〜
第22話 花音と入浴。意外な彼女の過去。そして……
第22話 花音と入浴。意外な彼女の過去。そして……
完全に俺は判断を誤ってしまっていた、と激しく後悔していた。
「変じゃないかな……?」
目の色と同じの青いビキニスタイルの花音は、頬を赤く染めながら、問いかけてくる。
似合っていないわけがなかった。
豊満な胸はカップにしっかりと保持され、深い谷間を形成し、下半身を覆う小さな三角の生地は大事なところはしっかりと隠しつつも、瑞々しい太ももや、お尻の存在をしっかりと示している。
花音はやはりグラビアアイドルとか、モデルとかが務まるんじゃないかと思うほど、とてもキレイだと思う。
「あ、あんまりジロジロみないで……恥ずかしいぃ……」
「ご、ごめんなさいぃっ!」
湯船の中でくるりと反転し、水着姿の花音から視線を逸らす。
背中にはヒタヒタと花音の足音が聞こえ、やがてシャワーの音が浴室へ響き始めた。
「ちょっと、今はこっち見ないで。水着の中とか、洗ってるから……」
「わ、分かった」
水着の中って、つまりあんなところや、こんな……いかん! 想像しちゃいかん!
と、必死に雑念を払うように、花音以外のことを考え続けること、約数分。
「し、しつれいしまぁす……」
花音が入ってきて、湯船からざばぁんと、お湯が溢れ出る。
「あ、あったかいね、お風呂」
「そ、そうだね」
多少広い浴槽とはいえ、やはり2人はいれば密着せざるを得ない。
俺と花音はお互いの背中をぴったりと合わせて、今、湯船に浸かっている。
緊張とか、色々な感情が渦巻いて、いつものような会話ができない。
それは花音も同じなのか、珍しく黙りこくっている。
でもなんでも良いから会話をしないと、ちょっと変な気を起こしそうだと思った俺は、やぶれかぶれーー
「か、花音てさ、モデルとかグラビアとか興味ないの? なんか、そういうのに向いてるような……」
「それは、えっと……実は、中学の途中までは、ちょっと芸能っぽいことしてたんだ……」
「え……? それ、マジ……!?」
「うん。アルファベットでKONO"カノ"って名義で活動してたんだよ。WEB配信限定だけどドラマにも端役で出たことあるし、私を中心にしたアイドルユニットとかも事務所、計画してたっぽいんだ……」
「してたってことは……?」
「もうしてないっていうか、辞めたよ。引越しのこともあったし、他にも色々あってあの世界はもう良いやって思ってね……」
一瞬、そんなの勿体無いと言いかけたが、止めた。
今の花音の言葉から、直感で深い何かを感じ取ったからだ。
気になるのは確か。でも、そこはまだ踏み込んじゃいけないところなんだと思う。
第一、俺だって中学の頃のことを全部話したわけじゃないし……
「だからさ、水着姿とか恥ずかしい格好とか仕事でいっぱいしてたから、今日も大丈夫かなって思ってたんだけど……やっぱ恥ずかしいもんだね!」
「なるほどね。花音の大胆さとか、思い切りの良さとかは、昔やってたお仕事の影響なんだね」
「ま、まぁ、そうだね……たぶん……ちなみにさ、ここまでお話ししたの、男の子じゃ葵くんが初めてだからね?」
「そうなんだ。まぁ、俺なら花音の昔の話は広まることはないだろうね」
「葵くん、私以外友達いないもんね♩ だから話したってのもあるよん♩」
「あはは……じゃあ、俺はそろそろ……」
俺は湯船から出て、浴室の床に足をつける。
「もう上がっちゃうの? もうちょっと一緒にいようよ!」
「俺、実は湯船苦手なんだよ。それじゃ」
「えー! そんなぁー!」
残念そうな花音の雰囲気を振り切って、早足で浴室を出て行った。
そしてようやく1人となり、ほっと胸を撫で下ろす。
「さすがにあのままじゃ、いつかバレてたよなぁ……」
あんなに魅力的な女の子と一緒に入浴していたのだ。
男として反応しないわけがない。というか、花音がやってきてからずっと反応したままであったわけで……
「今夜、変な夢を見ませんように……」
俺はそう祈りつつ、パパッと服をきて、風呂場を飛び出してゆくのだった。
●●●
お風呂から上がって、身支度を整えれば、時間はあっという間に時間はキャンプ場の就寝時間である22時を迎える。
今日はいろんな意味で本当に疲れた。
明日は花音とやることがいっぱいあるし、よく寝ておこう……と、思って寝袋に入ったその時。
「葵くーん、ちょっと開けてぇ」
テントの外から花音の声がした。
「なに? なんかよう?」
「とりあえず開けてよ」
なんだろう? と首を捻りつつファスナーを開けると、
「おっじゃまぁーす!」
「お、おい!?」
スウェット姿の花音が、寝袋を持って容赦なく俺のテントの中へ入り込んでくる。
「せっかくだからもうちょっとお話ししたいなって思って!」
花音はそう言いつつテントのファスナーを閉めた。
そしてさも当然かのように、俺の隣に寝転がってくる。
多少は今回もこうなるんじゃないかと予想というか、期待をしていたというか……
「テント、二つ張った意味ないじゃん……」
「ちゃんと荷物置き場として使わせてもらってるか良いでしょ。っていうか……」
花音はこちらへ擦り寄って、ヒクヒクと鼻を動かす。
「ふふ、今日は同じ匂いだね」
「そ、そりゃ、同じシャンプーとか、ボディーソープ使ったから……」
「いつものワイルドな匂いもいいけど、こういうのも落ち着くなぁ……」
「花音ってさ、匂いフェチ?」
「んー、どうだろ……正直、こんなに匂いに敏感なの初めてっていうか、なんか葵くんだけっていうか……よくわかんない! てへ!」
「俺、もう寝るぞ……」
恥ずかしさ半分、本当に疲れているの半分で、花音へ背を向ける。
「うんっ、良いよ。ゆっくり休んで……」
話がしたいと言っていたくせに、花音は何故か黙り始めた。
人間の慣れとはこの時本当に恐ろしいと思った。
なにせ花音とテントで一緒に寝転ぶのは、これでもう3度目。
多少は緊張しているものの、今日は疲れと睡魔の方が勝り、俺はあっという間に意識を失ってゆく。
ーーそして、この日も、俺は花音とのいけない夢を見てしまった。
やはり、一緒にお風呂なんて入ってしまった影響なのだろう。
今夜の夢に出てきた花音は肌色一色……つまり裸だった。
しかも枕に頭を埋めて、俺の方へ優しげな視線を向けていて、まるでそういうことをする前か、した後のような雰囲気だった。
しかしこれ以上のビジョンが見えないのは、俺が童貞だからだろう。
『葵くん、いつも助けてくれてありがとね。私、嬉しいよ』
そう言って裸の花音は、頬を赤めながら顔を寄せてくる。
『いっつもやらかしちゃう私だけど、良かったらこれからも一緒にいてね……大好きだよ、葵くんっ!』
これが夢だというのは分かっている。
だけどこの夢の中の花音とのキスは妙に感覚がリアルで、柔らかとかしっかり感じられて。
だけどこれは夢だから、俺は自分から何もできなくて。
そんなもどかしさの中、テントの中で目覚めると、隣から花音の姿がきえていたのだった。
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