第4話 想い人
深夜22時頃
真っ暗な部屋でひたすらゲームをする。
こんなことをしていても時間の無駄だとは分かっていてもこの空間から外になんて絶対に出たくない。
私は姫宮 心菜16歳で高校生、入学初日から引きこもりをした。
きっかけは簡単だ。
中学の頃虐めてきた一軍女子と入学式で会ってしまった。からである、もうこんなの引きこもるしかない……だけどそれも今日までだと思う。
お母さんがドア越しに明日3人で話し合いをしたいと言われた。
私の引きこもりライフは2ヶ月で終わってしまうのだと思う。
来月からは別の学校に転校になるか、説得させられるかの二択だろう。
「そうだ、最後にお菓子を好きなアニメを見て夜更かしをしよう。」
そう思い久々に外に出た。
そう言えばお風呂に入ったのいつだっけ?
それもどうでもいいとも思いながら、歩く事数分後、コンビニに到着した。
お菓子を大量に購入して、家に帰る途中の事だった。
10人くらいだろうか?
特攻服を着た男たちが周回をしていた。
私は絡まれたくないから別の道を行こうとすると急に聞きなれた声が聞こえた。
「心菜じゃん!学校来なくなったから、心配したよ!」
私をいじめていた、一軍女子と偶然会ってしまった。
「なにシカトしてんの?学校に来ないくらいで逃げれると思ってんの?」
そう言うと、特攻服を着た男たちがぞろぞろと集まってきた。
「七海じゃん!誰と話ししてんの?友達?」
「私のパシリなんだけどさ、最近調子乗ってんだよね…ちょっとみんなでさ、可愛がって上げてよ」
「いいねぇ…」
そう言うと男たちは私を囲み動けないように腕を力強く掴まれた。私はもう終わったと思った。
「もう無理っす俺……」
次々と走って逃げていき、一軍女子も逃げていった。
私は怖くて震えていると、男の人が声をかけて腕を掴み近くの公園まで一緒に走った。
恐らく、私を助けてくれたんだと思う。お礼をしたくても何をしたらいいかわからなかった。
「あの、助けてくれてありがとうございます…」
これでいいと思い帰ろうと思ったらその時だった。「可愛い……」初めて言われたその言葉に驚いて逃げてしまった。
少し時間を置いてから公園に戻って逃げた事を謝ろうと思った。
でもまだ、ドキドキが止まらない。
なぜこんなにさっきの人を考えしまうのか自分でも分からなかった。
もう公園にはいないと思い私は帰ろうとした。すると地面に学生証が落ちていた。
確認すると分かったことが2つある。
1つは助けてくれた人のものだとわかった。
2つは同じ高校に通っているって事だった。
「神原邦和さん…か…すぐに返さないと…」
返すってことはまた会うってことだ。
登校して…でも今の見た目なんかであったら嫌われてしまうかもしれない。
そう思うと胸がざわついた。
1週間頑張ろう。
自分を磨いて学生証を返そう!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あれから1週間がたった。お母さんとお父さんには何とか説明をして納得してもらった。
美容室やコスメは結構高かったからお父さんに期末テストで、良い成績を出すって条件でお小遣いをもらって何とか可愛くはなれたと思う。
長い髪をゆるふわショートカットにしてもらった。
後は前髪はピン留めで止めて軽くリップを塗ったら完成だ。これなら神原くんも気にってくれるかな?
するとまたドキドキしている自分がいる。
「何考えてるのかな…私ただ落し物を返すだけ…なんだから」
そして偶然にもクラスは同じだった。
今までにも”偶然”って言葉には何度も悩まされたけど今回の偶然は少し嬉しかった。
そして3ヶ月ぶりに学校に行くと周りの目線をいたいくらいに浴びせられた。
神原くんに何とか話に行こうと思ったけど勇気が出ず、返せずにいた。
そうしているとあっと言う間に下校の時間になってしまった。
私は勇気をだして神原くんが1人になるのを待った。
学校の裏に1人で向かうのが見えたからそこで返そうと思いこっそり後ろを着いて行った。神原くゆが立ち止まったから私は近づいた。
「栗花落さんが好きです!期末テストで1位になたら、まずはお友達からお願いします!」
「神原くんは私のことが好きなんだ……嬉しい…じゃあ1位になれたら、お友達からならいいよ?」
「ほんとですか!?」
「でも私中学まで3年間ずっと学年1位だったよ?大丈夫かな?」
仲良く話してる二人を見てしまった。
私は持っていた学生証が手から落ちるくらい力が入らなくなった。
もう何も考えたくない…何もかもが嫌になり、走り出した。
学校から離れて1人になると目から涙が出てくる。
なぜだろ?こんなに涙が出てくるのか…自分でも分からないくらい…溢れてきた…
「やっと見つけた。学校に来るなら私のところに来なさいよ」
私は神原くんが、追いかけてきた。と思い振り向くと、そこには一軍女子のいじめっ子、が私の背後から話しかけてきた。その後ろにはこの前の不良達がいた。
不良達は私を掴むと両手両足をしばりつけられ、黒いハイエースに押し込まれ、私は誘拐された。
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