第6話師匠が出来ました!
―――――――――――――――――――――――
名前:フェリシア
HP 40/40
MP 40/40
【ATK 15】
【DEF 15】
【INT 25】(+5)
【MID 25】
【DEX 15】
ロール
メイン【僧侶】熟練度0%
サブ【剣士】熟練度0%【学者】熟練度0%
スキル
【ヒール】熟練度0%
【スラッシュ】熟練度0%
【アナライズ】熟練度0%
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【木の杖】(INT+5)
左手 【空欄】
脚 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【空欄】【空欄】
―――――――――――――――――――――――
名前:ユキナ
HP 60/60
MP 20/20
【ATK 15】
【DEF 35】(+5)
【INT 15】
【MID 15】
【DEX 5】
ロール
メイン【盾使い】熟練度0%
サブ【剣士】熟練度0%【僧侶】熟練度0%
スキル
【ガード】熟練度0%
【スラッシュ】熟練度0%
【ヒール】熟練度0%
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手 【木の盾】(DEF+5)
左手 【空欄】
脚 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【空欄】【空欄】
―――――――――――――――――――――――
「フェリシアさんはヒーラーで、ユキナさんはタンクを目指してる認識で間違いないかな?」
隣で静華はコクりと頷いてましたが、私はヒーラーという単語を聞いたことがなかったので、確認の為に質問してみます。
「あの、ヒーラーというのは傷ついた方を治療したり、助けてあげる役割で間違いないでしょうか?」
「うん。その認識であってるよ」
「でしたら、私は皆を助けられるようなヒーラーになりたいです!」
少し意気込みが入りた為か両手を胸の前で握り、勢いよく答えてしまいました。
急に近づき過ぎて驚いたのか、パンダモンさんは目を反らしながら口を開きます。
「り、立派なヒーラーになれると思うよ。頑張って」
そう言うと、コーヒーをすごい勢いで飲んでしまいました……
頬が少し赤くなっていたので、コーヒーが熱かったのかのでしょうか…?
あれっ?……静華のパンダモンさんに向ける視線が、先ほどよりもキツくなったような気がしますが、気のせいですよね……?
「ゴホン、2人ともセットしたロールは今のままでも大丈夫かな。
予め固定パーティーを組む前提で役割を決めてたら、もう少し特化させる手もあったけど、特化も良し悪しだから、まずは今セットしてるロールの熟練度を上げてからでもいいかな」
「分かりました。」
「さて、戦闘スタイルも決まった事だし、次はステータスについて軽く触れるけど、ATKとかDEFとかの意味は分かるよね?」
「はい。チュートリアルでピアちゃんから教わりました!」
「ピアちゃん? あ~確かナビゲーションAIの女の子の名前だったような……」
「可愛い女の子ですよ」
「半年ぐらい前だからあまり覚えてないな……ごめんね。」
「本題に戻るけど、ステータスの意味は理解してそうだから、次のステップに行くよ。
そこで、問題です。ATKが上がるとどうなるか分かるかな?」
「物理攻撃力が上がるので、物理で攻撃した時のダメージが増える。でしょうか?」
「正解。だけどその回答じゃ満点はあげられないかな……」
「正確には物理で通常攻撃した時、ダメージ量の上限と下限が上がるんだ」
「……?」
「このゲームはリアルな世界を再現しているから、現実世界で軽く叩いた時と全力で叩いた時で痛さが全然違うように、
ゲーム内でも軽く攻撃した時と全力で攻撃した時ではダメージ量が変わってくるんだ。」
「仮にATK50の人がいたとすると、
その人が軽く叩いてもダメージ量が10程度しか出なくて、逆に力が乗った攻撃をするとダメージ量が50近く出るけど、ATKが50なので50以上は出る事はないね」
「それと、ダメージ量の下限も伸びるから、理想的な攻撃が出来なくても、ダメージ量自体はしっかり伸びるね。
だから先ほどのフェリシアさんの回答は正解でもあり、不正解でもあるんだ」
「では、ATKが高いけど攻撃する技術が未熟な方と、
ATKは低いけど攻撃する技術が高い方は、ほとんど同じダメージしか出ないって事ですよね?」
「そう言う事。あとはDEFも考え方は同じで、盾を構えてしっかり受けきったらDEF分だけダメージ量が減って、体勢が悪かったりするとダメージ減少量が悪くなるんだ」
「なるほど…教えていただきありがとうございます。
あと、スキルを使うとダメージが上がったり、下がったりすると聞いたのですが…?」
「先程の例からいくと、ATK50の人の通常攻撃をした時のダメージ量の上限は50になるのが分かったと思うけど、スキルを使用することでダメージを50以上に出来るんだ。
計算方法は《ATK値×スキル倍率×クリティカル倍率 - DEF値》で、先ほど伝えたように攻撃のやり方でダメージが変わるかな。」
「あと、クリティカルっていうのはガードをしてない所に、攻撃が上手く出来ると発生するものかな。
クリティカルの発生確率と倍率はDEXの数値が関係してくるから、前衛のアタッカーはATKだけじゃなくDEXも上げてる場合が多いね」
「ATKとDEFやDEXについては分かったのですが、INTの値と魔法の関係についてはどうなるのでしょうか?」
「現実世界で魔法を使ったことがないので、力の入れ方が分かりません……」
「現実世界で魔法を使ったことがある人は多分いないでしょ……」
「魔法攻撃は基本的に《INT値×スキル倍率 - MID値 》になるから、安定したダメージが出せるというメリットがあるね。
それと、回復魔法の場合は《INT値×スキル倍率》で回復量が決まるよ」
「ただ、魔法はMPを消費して発動するから、MPが足りなくなると使用できなくなる点は注意かな。
スキルを長押しすると詳細が見えるから、見てみたらどうかな?」
パンダモンさんに言われた通りにヒールを長押ししてみます。
【ヒール:対象のHPを回復出来る。MP消費5】
と記載されてました。
「あれ?……スキル倍率は書かれてないのですね」
「倍率は熟練度で上がるから記載はないかな」
「ヒールは熟練度0%で倍率20%で、熟練度最大だと50%かな」
「私が今の時点でヒールを使うと《INT25×0.2》でHPが5回復するで間違いないでしょうか?」
「いや、装備効果でINTが5増えてるから、
《INT30×0.2》で6回復になるかな」
「あっ……装備を忘れてました。」
「実は、先の計算式は無属性で魔法攻撃をした場合のもので、属性が付いてる魔法攻撃になるとちょっと計算式が変わるんだ」
「…属性でしょうか?」
「改めて属性聞かれると説明難しいな……
シンプルに火の魔法は火属性、水の魔法は水属性みたいに思っといて欲しいかな。」
「それで属性付きの魔法攻撃の計算式は
《INT値×スキル倍率×弱点倍率又は耐性倍率- MID値》
になるんだ」
「弱点倍率と耐性倍率とは何でしょうか?」
「ほとんどのモンスターに設定されてるもので、そのモンスターの苦手な属性や得意な属性が弱点や耐性になってるかな」
「例えばだけど……植物タイプのモンスターでトレントってのがいるんだけど、コイツは火属性が弱点で弱点倍率が200%に設定されてるから火属性の攻撃が有効だね」
「2倍も変わるのですね……
モンスターの弱点や耐性はどうやって分かるのでしょうか?」
「フェリシアさんも持ってるアナライズを使うと、モンスターの弱点や耐性、パラメーターとかも分かるよ。
まあ、新しいモンスター以外は大体ネットの攻略サイトに載ってるけどね……」
「分かりました。ありがとうございます。」
「基本的な説明は大体これぐらいだけど、何か質問とかある?」
「はい! パンダモンさんが自己紹介の時に言ってた、ベータ版?、クラン?、ダメージディーラー?って何でしょうか?」
「そんな前の事を覚えてたのか……
ゴメン。正直フェリシアさんって、ちょっとおバカで残念な子かなって思ってた……」
「ひ、ひどいです……」
そんな風に思われてたんですね……
失礼なパンダモンさんに、私が膨れていると、
静華が私のかわりに異議を唱えてくれます。
「貴方失礼ですね。お嬢様は天然で少しポンコツな所はありますが、賢くて運動神経も抜群ですし、なにより、こんなに可愛らしいのに、何て事を仰るのですか!!」
あれっ?……何かちょっとバカにされてたような……?
静華の剣幕にパンダモンさんは狼狽えながらも、何とか私の質問に答えてくれます。ただ、凄く早口でしたが……
「べ、ベータ版とクランとダメージディーラーの事を知りたいんやんね……」
「ベータ版っていうのは、正式にサービスが配信される前のテストプレイをすることで、クランはプレイヤー同士が集まって作る組織みたいなもんで、このゲームでは今の所、4人~30人で構成されてるな。
あとはダメージディーラーは、アタッカーの事で、主にダメージを与えてモンスターを倒す役割のことや」
パンダモンさんは話題を変えようと必死で話したせいか、関西弁が所々に出ています……
少し可哀想になってきたので、このぐらいで勘弁してあげましょう
「私はそこまで怒っていないので、静華もそれぐらいで勘弁してあげて下さい」
「お嬢様の良さを、もっと伝えなくてもいいのですか?」
「恥ずかしいので止めて下さい……
パンダモンさん許すかわりに、今後は普段通りの話し方でお願いしますね。
それに名前の呼び方も『フェリシアさん』ではなく『フェリシア』と呼び捨てで構いません。」
「呼び捨てはさすがに……フェリシアちゃんでも良いかな?」
「はい! 話し方も先ほどの関西弁のように砕けた感じでお願いします。なにせ私達の師匠ですから!」
「分かったけど、師匠は勘弁してくれ……」
師匠と呼んだ時になったバツが悪そうな顔が、ちょっと可愛いと思ったのは私だけの秘密です……
そんな私の視線に耐えかねたのか、師匠は咳払いをして話題をかえました。
「2人とも、この後もまだイン出来そう?」
ディナーの時間までまだ余裕があったかな?と思い静華を見ると、すぐに答えてくれます。
「お嬢様。ディナーの時間まではまだ余裕があるので大丈夫ですよ。」
「ユキナありがとう」
「OK。初めての戦闘だから、モンスターがあまり強くない、トランクイル平原に行ってみるか!
やっぱり実際にモンスターと戦うと、色々見えてくるものもあるしな」
「はい! 楽しみです!」
私達は店を出たのち、モンスターの待つトランクイル平原に向かうのでした……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます