菫が見つけた約束
沼津平成
1
菫が見つけた約束は
小さくて儚いものでした
されど菫は守りました
儚いきずなが
奇跡を創ることになる、
とはつゆしらず――
1927年、エフ鉄道アイ駅を汽車が通過していった。青年・
久しぶりの爽快感だった。決して愉快にはならなかったが。雪が降り積もる町は、今日も穏やかだ。
特徴の掴みづらい平凡な町だった。されど、のどかで穏やかで、ちょうどいいところまで開けている田舎だった。
「この街に出てもう何年経った?」
菫は独り言ちた。
菫が見つけた約束 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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