第14話ケイヴバット
さて、蟻地獄も倒したし朝ご飯にしようかな。
蟻地獄が不味そうなのは玉に瑕だけど、朝から何も食べてない私は空腹なのだ。
背に腹は代えられない。
取りあえず〖ファイアブレス〗で身体全体を焼いてと、よし。こんがり焼けたわ。
でもこいつ、絶対毒持ちだよなぁ……ええいっ! 女は度胸だいったれ!
ウボァッ!
意を決して蟻地獄の丸焼きにかぶりついた私の口内に強い刺激が襲いかかり咽せてしまう。
くーーーッ! 今までで一番強烈な毒だねー!
口が麻痺して動かなくなってきたよ!
それでも! 私は! 食べる事を! やめないーーーッ!
【耐性スキル〖毒耐性LV3〗が〖毒耐性LV4〗に上がりました】
〖毒耐性〗スキルのLVが上がった事を天の声が告げる。
ふーっ、食った食った。美味くはないけど腹も膨れたし、耐性スキルのLVも上がったから御の字だね。
我慢して食べた甲斐があるってもんよ!
さあ、ご飯も食べたし引っ越し先探しを再開しよう!
ちょうどいい洞窟を探し始めて暫く、切り立った崖を発見した。
おっ、良さそうな崖を発見!
でも、斜面が硬い岩なのか、私の〖土魔法〗じゃあこの崖を掘るのは難しいかな。
周辺を調べてみるか、洞窟でもあればいいんだけど。
私が洞窟を探して崖に沿って歩き始めて暫くすると、少し大きめの洞窟を発見した。
人間や大型の獣も入れそうな大きな洞窟だわ。前回は蜘蛛とモグラだったけど、このサイズの洞窟ならヤバい魔物とかいそうだな……慎重に探索しよう。
私は警戒しながら洞窟の中に足を踏み入れた。
少し進むと入口からの光がなくなり、周囲が視認できないほど暗かった。
中はさすがに暗いなぁ、持ってて良かった〖暗視〗のスキルってね。
LVが低いからはっきりとは見えないけど、お陰様である程度は周囲が見えるわ。
今のところ魔物の気配はなし、ここは安全な洞窟なのかなぁ?
さらに奥に進むと私の〖気配探知〗のスキルが複数の気配を探知した。
おかしい、確かに反応はあるんだけど見つからない。どこにいるんだ……!
――上だ!
精神を集中して深く気配を探ると上に反応を感じる。
上を見上げると十匹ほどのコウモリが逆さの状態で天井にぶら下がっていた。
『あっ、先住民の皆さんこんにちはぁ……』
うん、挨拶は大事だよね。コミュニケーションの基本だよ。
「キィイイイイイッ!」
私が念話で挨拶すると、天井のコウモリたちは甲高い奇声を上げてきた。
くっ……耳が痛ぃいいっ……!
あれ? 耳が痛いだけじゃなくて足元が覚束ない……なんかフラフラするぞ!?
まさか攻撃されたの?
「キッキッキィイイイっ!」
コウモリたちはフラフラする私を見て、楽しそうな声を上げていた。
新参者だから下手に出たってのに、調子に乗りやがってこのくそコウモリが!
いったい私に何をした! 〖鑑定〗!
―――――――――――――――――――――
種族:ケイヴバット
ランク:E-
LV :12/20
HP :31/31
MP :37/37
攻撃力:21
防御力:16
魔力 :31
素早さ:42
通常スキル
〖気配探知L3〗〖超音波LV3〗〖飛行LV3〗
〖隠密LV2〗〖毒攻撃LV1〗
耐性スキル
〖物理耐性LV1〗〖毒耐性LV1〗
称号スキル
なし
スキルポイント:60
―――――――――――――――――――――
一番大きなコウモリ〖鑑定〗すると〖超音波〗のスキルが目に入った。
確かコウモリは物体までの距離を超音波を発信して、エコーが戻ってくるまでの時間から割り出すとか聞いた事がある。
それがスキルになって、攻撃にも使えるようになったってところか?
そっちがその気ならやってやろうじゃんよ!
格上の私に喧嘩を売った事を後悔しなさい!
「ギェエエエッ!」
私が〖ファイアブレス〗を天井に向かって放つと、コウモリたちがボトボト落ちてきた。
おぇええっ! 洞窟内で火を使った攻撃は不味かったか……息苦しい……!
酸素がなくなって一酸化炭素が発生しちゃったっぽい……!
でも、今がチャンス!
私は天井から落下したコウモリたちに〖爪撃〗で止めを刺していった。
【経験値を38取得しました】
【経験値を34取得しました】
【経験値を34取得しました】
【経験値を30取得しました】
天の声が経験値取得を次々と告げていく。
おおっ! 凄い!
あのコウモリたち十匹どころじゃなくて数十匹はいたからどんどん経験値が入ってくるわ!
これはLVアップにも期待できるわね!
【マーヴェリックリザードはLV6からLV18に上がりました】
【通常スキル〖ファイアブレスLV2〗が〖ファイアブレスLV3〗に上がりました】
【通常スキル〖爪撃LV2〗が〖爪撃LV3〗に上がりました】
【スキルポイントを取得しました】
長く続いた天の声の経験値取得通知が止み、急激なLVアップとスキルLVのアップを告げた。
どひゃあああっ! すっごい上がったわね!
これは一気に強くなったんじゃないの!
久しぶりにステータスを確認してみようかな。
―――――――――――――――――――――
〖アテナ〗
種族:マーヴェリックリザード
ランク:E
LV :18/20
HP :37/108
MP :18/52
攻撃力:76
防御力:55
魔力 :52
素早さ:83
通常スキル
〖鑑定LV2〗〖鱗LV2〗〖気配探知LV2〗
〖思考加速LV2〗〖念話LV3〗〖人間言語LV3〗
〖暗視LV1〗〖体当たりLV2〗〖尻尾攻撃LV2〗
〖爪撃LV3〗〖牙撃LV1〗〖ファイアブレスLV3〗
〖呪詛LV1〗〖肉体再生LV1〗
魔法スキル
〖火魔法LV2〗
〖
〖土魔法LV1〗
〖ダート〗
〖水魔法LV1〗
〖癒しの水〗
耐性スキル
〖物理耐性LV2〗〖酸耐性LV2〗〖毒耐性LV4〗
称号スキル
〖転生者LV――〗〖悪食LV――〗〖反逆の
〖修羅界LV――〗
スキルポイント:420
―――――――――――――――――――――
くーーーッ! この瞬間、た……たまらん!
ガツンとステータスが上がってるわ!
このLVアップ後に上がったステータスを見るのが楽しいのよねー!
私的ゲームの醍醐味なのよ!
ってか名前がついてるし!
フェリシアとの名付けイベントが反映されたのか、これで名無しも卒業だね。
私はニマニマしながら満足するまでステータスを確認し、洞窟の先に進んだ。
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