第6話ケイヴモール

 さっきまでは見上げるくらい大きかったモグラも、今では私が見下ろす立場になっていた。

 マーヴェリックリザードに進化した私のサイズはモグラよりも大きいようね。しかも、モグラはいきなり進化して大きくなった私に怖気づいたのか、ジリジリと後退りしてるわ。

 今のうちに進化後のステータスを確認しておこう。


―――――――――――――――――――――


種族:マーヴェリックリザード

ランク:E

LV :1/20

HP :3/35

MP :4/18

攻撃力:25

防御力:21

魔力 :18

素早さ:32


通常スキル

〖鑑定LV2〗〖鱗LV2〗〖気配探知LV2〗

〖思考加速LV2〗〖体当たりLV2〗〖尻尾攻撃LV2〗

〖ファイアブレスLV1〗


魔法スキル

〖火魔法LV2〗

着火ライター


耐性スキル

〖物理耐性LV2〗〖酸耐性LV2〗〖毒耐性LV3〗


称号スキル

〖転生者LV――〗〖悪食LV――〗


スキルポイント:940


―――――――――――――――――――――


 うおっ! めっちゃ強くなってる!

 基本ステータスはモグラを超えるくらい上がってるし、耐性スキルLVも1ずつ上がってる。それに、スキルポイントも凄い増えてるわ。

 あっ、HPとMPは回復してない!

 LVアップでも進化でも回復しないシステムか、気をつけなきゃ今の防御力でも一撃でやられちゃう可能性もあるわね。

 でも、これで勝負になる。

 さあ、待たせたわねモグラ、戦いの続きを始めようじゃない!


「グッ……グォオオオオオッ!」


 突然大きくなった私に怯んでいたモグラが雄叫びを上げた。

 いきなりなによビックリするわね。大方自身を奮い立たせるための雄叫びでしょ?

 人は大きな声を出す事で恐怖心を緩和させたり、普段出せないような力を発揮できるって聞いた事があるもの。

 進化した私の強さを感じ取って、覚えた恐怖を雄叫びで搔き消したって事だろう。

 野生の魔物がそう感じたのなら、私の方が強いって事でしょ!


「グオオオッ!」


 雄叫びで怯みの消えたモグラは力強く地面を蹴り突進してきた。

 得意の〖体当たり〗できたか!

 でも、進化した今のだったら!


 私は体を起こして二本足で立ち上がり、モグラ渾身の〖体当たり〗を受け止める。

 もう私の方が大きいのになんて重い〖体当たり〗なの……!

 うおおおおっ! 負けるかぁぁあああっ!

 衝撃で足元の土を抉り壁際まで押し込まれながらも、モグラの〖体当たり〗を受け止める事ができた。


 残りHP2……土俵際で何とか持ちこたえたってところかしら。

 さあ、今度はこっちの番よ!


「グオッ!」


 〖体当たり〗を止められ動きの止まったモグラに平手打ちを食らわせる。私の平手打ちを受けたモグラは盛大に吹っ飛び洞窟を転げ回った。


【通常スキル〖爪撃LV1〗を取得しました】


 おっ、天の声の姉さんには今の攻撃がお見通しだったようね。

 そう、進化した私の両手両足には鋭い爪が備わっていた。今の平手打ちはその爪を使った攻撃だったのよ。

 さて、モグラの残りHPは……14か、このまま追撃して終わりにしてあげる!


「グォオオオオウウッ!


 私は吹き飛んで倒れたモグラを倒すべく迫る。だが、モグラが咆哮を上げると私の邪魔をするように地面が盛り上がり、土の壁がモグラの姿を隠してしまった。


 確かモグラは〖土魔法LV3〗のスキルを持っていたよね? これは〖土魔法〗で作った盾って事か?

 〖ダートウォール〗って魔法を持っていたから、多分それだろう。

 でもね、今の私にそんな土塊が通用すると思うなよ!

 おりゃああああッ!


 私は〖体当たり〗で土壁を破壊し、姿を現したモグラに〖爪撃〗を打ち込む。

 まだまだーっ!

 〖爪撃〗を受けて怯んだところを〖尻尾攻撃〗で吹き飛ばす。

 さーらーにー! 〖ファイアブレス〗だ!


「グゥオオオ……」


 吹き飛んだモグラを〖ファイアブレス〗で追撃する。炎に焼かれ火だるまになったモグラは断末魔の叫びを上げ倒れ伏した。

 おおっ! 〖着火ライター〗とは比べ物にならない火力だわ!

 〖ファイアブレス〗使えるスキルね。


【経験値を52取得しました】

【マーヴェリックリザードはLV1からLV4に上がりました】

【通常スキル〖ファイアブレスLV1〗が〖ファイアブレスLV2〗に上がりました】

【スキルポイントを取得しました】

【称号スキル〖反逆の寵児ちょうじLV――〗を取得しました】


 おっし! 勝った!

 経験値うまー! 一気にLV4まで上がったし、なんかかっこいい称号スキルまでゲットしたぞ!

 今回は本気で死ぬかと思った。先に蜘蛛三人衆と戦って進化条件を満たしてなかったら絶対に死んでたわよ。

 しっかし転生してからというもの、死にそうになってばっかりだなぁ。もっと強くなってトカゲ生を謳歌しなくちゃ。

 そのための第一歩、拠点ゲットだぜ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る