第2話湖は危険がいっぱい
ふう、何とか倒せたわね。カエル、お前は
さて、初LVアップしてステータスがどのくらい上がったか見たいけど、その前にやる事がある。
お腹すいた!
そして! 目の前には私が初めて仕留めた獲物がある!
なら、食べないわけにはいかないっしょ!
でもなー、生で食べるのには抵抗あるなー。
ほら、私ってこう見えても華の女子高生だったわけじゃん。
その私がカエルの生肉をガブガブするってどうなのよ?
でもお腹すいたしなぁ……まあいっか、たーべよ!
ガブリンチョ! モグモグモグ……グフォォォッ!
カエル肉に思いっきりかぶりつくと濃厚な血と肉汁が溢れ出し、強烈な刺激が口を焼いた。
オゲェェェッ! なんやこれぇーッ!
人が食っていいもんじゃないわ!
思わず吐き出しそうになっちったじゃんよ!
まあ、今の私は人じゃないんですけど。
んっ、まてよ。確かカエルって毒持ってる種類もいるんだっけ?
って事はこいつ……!
【耐性スキル〖毒耐性LV1〗を取得しました】
ほらね! 天の声もそう言ってるよ!
でも助かった。〖毒耐性LV1〗のおかげで苦しさが和らいだわ。
これでまだ耐えられる。いくぞー!
【称号スキル〖悪食LV――〗を取得しました】
なんか称号スキルもらえちゃった!
これはどんな効果なんだろう? 〖鑑定〗で調べられるかな?
〖鑑定〗発動!
【称号スキル〖悪食LV――〗とは、毒など身体に害のある物を食べる事で取得できる称号スキルです】
【LVアップ時のHP上昇値がアップします】
おっ、出た!
へー、称号スキルってそういう効果なんだ。頑張って食べてみるもんだね。
どんな行動でスキルを取得できるか謎だから、いろんな事に挑戦すべきなのかな?
私は苦しみながらもカエルをガブガブし、完食する頃に〖毒耐性〗はLV2に上がっていた。
さーてお腹も膨れたし、初LVアップしてステータスがどのくらい上がったか見てみようかなー。
ステータスオープン!
―――――――――――――――――――――
種族:スモールレッサーリザード
ランク:F
LV :2/5
HP :3/7
MP :1/3
攻撃力:3
防御力:4
魔力 :3
素早さ:9
通常スキル
〖鑑定LV1〗〖鱗LV1〗〖気配探知LV1〗
〖思考加速LV1〗〖体当たりLV1〗
耐性スキル
〖物理耐性LV1〗〖酸耐性LV1〗〖毒耐性LV2〗
称号スキル
〖転生者LV――〗〖悪食LV――〗
スキルポイント:110
―――――――――――――――――――――
んー、あんまりステータス上がってないわね。
FランクのLV2だしこんなもんか。
ランクってのはたぶん強さの基準みたいなもんだよね?
〖鑑定〗してみようか。
【ランクとは魔物の強さを表す指標】
予想通りって感じね。じゃあ私の種族は?
【スモールレッサーリザード:ランクF】
【トカゲ型の魔物の中で一番弱い種族。毒もなく弱いため、よく魔物の食料にされている。煮ても焼いても美味】
私の種族食料かよ!
さっきのカエルよりは強いけど、あいつ毒持ちだから狙われないんだろうな。
しっかしさすがは〖鑑定〗様、何でも答えてくれるわ。
これでLV1なんだから上がったらどうなるのかな?
取りあえず、今の私は他の魔物からしたら格好の獲物ってわけだ。
このままじゃ捕食されるのを待つだけ、私はそんなのごめんだね。
この世界で生き残るためには強くならなくちゃ。
――むっ! 〖気配探知〗に反応あり!
反応のあった方向に顔を向けると、大きな蚊が私に向かって飛んできているところだった。
でっかい蚊ー! 私の半分くらいあるわ。
それとも私が小さいだけかな?
ここにきてから襲われるの二回目なんですけど! この湖危険すぎない!?
とにかく〖鑑定〗発動!
―――――――――――――――――――――
種族:フォレストモスキート
ランク:F+
LV :3/5
HP :3/3
MP :5/5
攻撃力:4
防御力:1
魔力 :5
素早さ:13
通常スキル
〖気配探知LV1〗〖吸血攻撃LV2〗〖飛行LV2〗
〖毒攻撃LV2〗
耐性スキル
〖毒耐性LV1〗
称号スキル
なし
スキルポイント:10
―――――――――――――――――――――
おっ、F+ランク! それにLV3だ! どちらも私より高い、格上相手か……!
でも、その割にはHPと防御力がやたら低いわ。
勝てない相手じゃなさそうだけど私のHPも回復してない。
先に攻撃を当てた方が圧倒的有利になりそうね。
〖思考加速〗で解析している間にも敵はどんどん近づいてくる。
くっそー、今考えてるんだからちょっとくらい待っててよ!
とにかく先に当てた方が勝つ!
先手必勝だ! 食らえ!
空を飛べない私は目の前まで引き付けたフォレストモスキート目がけて〖体当たりLV1〗を発動する。
「キーッ!」
だが、フォレストモスキートは私に近づいたところで動きを緩め、空中で急旋回して〖体当たり〗を躱した。
うっそーっ! あの距離で躱された!
私よりも素早さのステータスが高いだけあるわ。
「キキーッ」
ぁ痛ーいッ!
ジャンプしての〖体当たり〗を躱されて隙だらけになったところを針で刺された!
そういえば、蚊って地球上で一番人を殺している生物だって聞いた事がある。
私より小さいから心のどこかに油断があったのかも、相手は私よりランクもLVも高い格上なのに……!
残りのHPは!?
―――――――――――――――――――――
種族:スモールレッサーリザード
HP :2/7
MP :1/3
―――――――――――――――――――――
残り2しかないじゃん!
あっ! 1に減った!
これは〖吸血攻撃LV2〗と〖毒攻撃LV2〗を食らってるのか?
って事は刺された針を抜かなくちゃ!
ふんぬっ!
私は身を翻して刺さった針を引き抜いた。
このままじゃ不味い! マジで死んじゃう!!
でも、それは元々HPと防御力の低い蚊だって同じはずだ!
「キキキーーッ!」
瀕死の私に止めを刺すべく蚊が追撃してくる。
前世の事は覚えてないけど、転生したばっかで死んでたまるか!
諦めない限り勝機はあるんだ!
私は迫る針を体を捻って躱し、そのまま回転して尻尾を蚊に叩きつけた。
「ギィィィ……!」
攻撃を躱されバランスを崩した蚊を私の尻尾が捉え、地面に叩きつけた。プチッと何かが潰れる感触が尻尾に伝わる。
軽い相手に打撃は効きにくいからね。地面とサンドイッチにしてやったわ。
【経験値を7取得しました】
【スモールレッサーリザードはLV2からLV3に上がりました】
【スキルポイントを取得しました】
【通常スキル〖尻尾攻撃LV1〗を取得しました】
やった! LVアップだ!
苦戦したから殊更に嬉しいわ。
さらに今の攻撃がスキルに追加されたみたい。
いやー、残りHP1だし本気で死ぬかと思ったわ。生きててよかった……!
しっかしこの水場ってもしかして……。
私が周囲を見渡すと、いたる所で魔物たちが壮絶な戦いを繰り広げていた。それは身体の小さな私から見れば、どの戦いも怪獣大戦争さながらの規模でおこなわれる異次元の超絶バトルだった。
その中でも一際目立つ大蛇がいた。
水を飲みにきた熊の魔物を締め殺して丸呑みし、空飛ぶ鳥の魔物をブレスで殺し、落ちてきたところを空中で丸呑みしていた。
なんじゃありゃ化け物か!
あんなのに巻き込まれたら余波だけで死んじゃうわ!
取りあえずこの水場は強力な魔物が多くて危険すぎる。安全な場所に移動しなきゃ!
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