20XX年 12月14日 タイトル『水中』

 水の中にいた。

 スキアと会敵し、ビットを放つ。

 スキアの鋭い爪が襲ってくる。

 それを回避するために、湖に身体を投げた。

 ビットがスキアを殲滅し終えたところで、湖からあがる。

「大丈夫か?」

 ハヤトはそうもらす。

「はい」

「……これを着ろ」

 ハヤトは上着を差しだし、顔を背ける。

「……?」

 全身ずぶ濡れになる覚悟はあった。

 だから彼の行動に疑問を持った。

「透けている」

 その言葉を理解し、自分の胸元を見る。

 バトルスーツが水で濡れ、透けている。

「~~!!」

 言葉にならない悲鳴をあげて、わたしはハヤトの上着を奪い取る。

「わりぃ」

「い、いえ……」

 気まずい空気が流れる。

「お二人とも、大丈夫ですか?」

 ヒルデが木々の合間を縫って現れる。

「わわ。寒そう」

「そうでもないわ」

 ハヤトから借りた上着は暖かった。

 それからいい匂いが……

 わたしはそんなに変態ではない。

 心の葛藤を知らない二人は前線キャンプに向かう。

 わたしも疲れた足を必死に動かす。


 キャンプでは暖かい飲み物とお風呂に入った。

 技術革新をしてから早八十年。

 わたしたちの暮らしは良くなったと思う。

 バトルスーツもものの数分で乾いた。

 明日も出撃できる。

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