20XX年 12月13日 タイトル『戦争』

 今日は南部にあるアシューに来ていた。

 最近、スキアの目撃例が相次ぐらしい。

 ヒルデとわたしは周囲を警戒しつつ、町外れに向かう。

 スキアは足跡がつかない。まるで幽霊のように。

 幽霊にも感情や心があるのだろうか?

 フンもしないので、追跡ができない。

 かすみでも食べているのかな?

 仙人はそう言われているじゃない。

 まあでも、人を襲おうもの。全然仙人じゃない。

 スキアは恐ろしい存在。

 あいつらから、身を守るには武器をふるうしかない。

 わたしはAGMなのだから。


 ふと思う。

 なぜ人は核戦争なんてしたのだろう?

 スキアと何か関係があるのかもしれない。

 休暇がとれたら調べてみよう。

 ただの興味本位だ。

 わたしは最近まで別のことを調べていた気もするけど。

 日記を読み返すと心の奥底で何かがざわめくのを感じた。

 きっとわたしの知らない何かがうごめいている。

 それがわたしの記憶……心と関わりがあるのなら。

 わたしは思い出したい。


 明日もスキアと戦うのだろうか?

 自分の身に危険が迫る。

 わたしはそのことの意味をようやく知った気がする。

 知らなかったのだ。

 こんなに精神をすり減らすとは。


 わたしはこの仕事を辞めたい。

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