20XX年 12月10日 タイトル『家族』
今日も戦闘があった。
このところ、スキアの発生率が高い。
多くのスキアが生まれている、ということだ。
そんな中、王都ではデモ行進が行われた。政治不安や、スキアの撲滅に一向の希望が見えないからだ。
わたしたちが頑張っても、市民にはその功績がわからない。
メディアもスキア討伐の放送よりも、王都の不安をあおる情報の方が視聴率がとれると思っているらしい。
事実、地方の危機より政治不安が興味を惹くのだろう。
対岸の岸なのだ。
国の中央に位置する王都は被害を受けない。
政治家の不祥事が取り沙汰されている。
外に敵を抱えているというのに。
論文を軽く読んだ。
もしかしたらこの論文が実行されている可能性がある。
『人の感情に基づく世界の秩序構造、あるいは修正案』
わたしはこの論文の言っている意味がイマイチわからないところもある。
でも今の社会構造に影響しているように思う。
「どうしよう……」
この世界の闇に迫っているけど、仲間がいない。
一人ではとても調査しきれない。
わたしの話を聞いてくれる人はどれだけいるのだろうか?
わたしの仮説が正しければ、この世界は壊れている。
政治家が支配しているようなものだ。
わたしはこの世界に立ち向かえるだろうか?
冗談じゃない。
わたしは弟、両親のために働いているのだ。
世界が狂っていても、わたしはそれを守る。それしかできないのだから。
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