20XX年 12月9日 タイトル『戦闘』

「SGがこの地域に現れた、対処してくれ」

「了解」

 わたしとヒルデ、ハヤトの三人編成という珍しい構成で現場へ向かう。

 考えている暇もなく、人々を襲うスキアを攻撃していく。

「ビット、展開」

 わたしはスカートビットを、ヒルデはツインテールビットを展開する。

「すさまじい火力だな。おい」

 背中にあるナイフを取り出し、ふり下ろす。

 瞬間、無数のナイフが顕現する。

「いけ。ナイフビット」

 ハヤトはそう言い、ビットを飛ばす。

「あんたもなかなかの使い手ね」

 ビットは空間認識力と、判断力、それに脳内の処理能力が必要とされる。

 誰でも使えるわけじゃない。

 偶発的遺伝子操作を受けたAGMであっても、その力を扱える者は少ない。

 日本では十名いるかいないか。

 その軍人をこっちのチームによこしてきた。

 どういった事情があれば、こうなるのだろう。


 十二時間の戦闘が終わり、わたしは疲弊した身体をベッドになげうった。

 日記は音声入力で行い、今日はもう寝ることにした。

 明日も戦場か。

 嫌気がさしてくる。

 でも市民を守るため。家族のためだ。

 頑張るしかない。

 なにせ、わたしはAGMだから――。


 PS.わたしに何かあれば、この日記を公開してください。

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