20XX年 12月5日 タイトル『増員』

 休暇を終え、わたしたちはまた作戦司令室に呼び出された。

「A-1にて質量の移動を感知。SGと思われる。準備せよ」

「はい」

 わたしたちは作戦の概要を聞き、今度は男性のAGMとも合同で参戦することとなった。

 彼らを招きいれる司令官。

「ちーす」「どうも」

 男性AGM二人の印象はだいぶ違ってみえる。

 一人はチャラそうな印象。

 そしてもう一人は……。

「あのときの」

 イケメン。

 昨日酒場で会った男性だった。

「おれっちはナルハっす」

「……俺はハヤトだ。よろしく」

 苦虫をかみつぶしたような顔をするハヤト。

「マジ、どうしたんっすか? ハヤト先輩」

 ナルハは空気を読めないのか、ハヤトをおちょくる。

「勝手だろう」

 少し言葉が足りない人かもしれない。

 わたしはそう思った。

 今、改めて思うと彼の経歴が垣間見える言葉だった。

「それよりも作戦だ」

 ハヤトはすぐに仕切り直す。

「は、はい」

 遅れてヒルデが応じる。

 A-1地区は天然のガス田があり、とても危険な地帯でもある。

 そこに四人で向かいSGを倒す。

 だがその攻め方を決めた。

 二方向からの同時攻撃。

 挟み撃ち。

 たった四人しかいない隊列を、わざわざ二つに分離させるという話に疑問を覚える。だがそれは上層部が認めたということ。

 できるのだ。

 彼らの頭の中では。


 追伸

 わたしにもしものことがあれば、この日記と報奨金を■■■に譲渡する。

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