第2話 アリュールごめん。俺ら死んだ。
タイラントボアだ!!
やれるか? ギリギリかも!
タジキ!耐えれるか?
この森で奥に進むにあたり、疲れや装備品の損耗もある。
余力を考えないと一瞬で死んでしまう。
タイラントボアは牙、角いれて4〜6本となるA級上位の強さを持つ魔物だ。
体表も硬く、動きも速い。
弱点は一度走りだすと急転回出来ないくらいの魔物である。
その肉は非常に美味で量も多く、一頭分で豪邸が建つくらい高級である。資料が残ってるだけで過去に食べたことがある王族は数人しかいない。
他の素材も武具や鑑賞用に使える。
つまり一頭分でパーティが一生を余裕で暮らせるレベルになる。
前に鉢合わせた時は敵意もなく、相手にもされずに無視された。
「まだ諦めちゃダメ!!」
「ウィンド・ジャベリン!!」
と魔法使いのナディアが唱える。
不可視の槍がボアに飛んでいく。
ボアにあたり一瞬怯むのを見るとチャンスと思い魔剣を使う俺が目を狙い突きを狙う。
刺さると思った瞬間
ボアが泡を吹いて倒れた
「え?」
「……」
「。。。」
木々の間から銀色に輝く狼型の魔物が出てきた。
一瞬で冷たい汗がありえないほど出る
「「なんだあれ!!!」」
「「やばい!これは無理だ!死ぬ」」
「「「€%°=*〆$☆%!」」」
死ぬ前提で逃げるつもりの時に
いきなり話しかけられた。
俺らはもう死んだのかと走馬灯も感じず、理解した。
その後、頭がついてこずその場に立ち尽くすしか出来ない。
パーティメンバーであるナディアは気絶し、タジキは一気に精力がなくなり
痩せ細った感じになった。
かく言う俺もありえない量の冷や汗の水溜まりを作るハメになっている。
狼型の魔物がボアを縦に切断するのを見て、もはや一歩も動けない。
今、コボルトなど雑魚な魔物が来ても容易く殺されるだろう。
その魔物から出るオーラは推し量ることが出来ない……
産まれたての赤子が城壁に喧嘩を売るくらいの感覚だ。
その場に立ち尽くすだけで緊張し体力が擦り減っていくなかで、化け物(狼型魔物)が
ふとこちらを見て
「食わんのか?」
「え?………」
我side
半分で我慢したのに
3匹は動きもしない。1匹は気絶してるし、もう1匹は餓死しそうだ。
まぁいいか。
肉もついてなさそうだし何より美味しくなそうな3匹を無視して
半分のボアを大雑把に食べきる。
腹はまだ膨れぬ。もう1匹食べて満腹にしようと決断し森の中へと歩き出す。
ふむ、間食もしたことだ
久々にトカゲでも狩るかと、やる気を出して高速で森の奥地の岩山を目指す。
目標はゴツゴツしてるだけの空飛ぶトカゲだ。
体表が硬いせいで皮を剥ぐのが面倒だが肉は絶品なのだ。
うん?倒すのはさすがに無理じゃないかって?
いや、別に難しくはない。
我の爪が奴らには効かないだけで
魔法を使えば問題はない。
我には火・水・風・土・光・闇・時属性のうち闇と時属性以外は使える。稀にユニークな属性を持つ個体もいるが我にはない。
主に得意なのは風と光である。
すぐに獲物を見つけた。
比較的まだ若そうで肉は柔らかそうだ。
ヨダレが出てしまう。
一瞬の光魔法で相手の両面を狙い撃ちし、そこから風魔法で死に至らしめた。
飯とはゆっくりと食う物である。
これが我の唯一のルール。
トカゲの首を咥え、力一杯にふるとそこそこ遠い住処の近くまで投げる。
それと同時に走り出す。
住処の目の前でトカゲを食い散らかした。
冒険者side
魔物が森の中へと消えて、どれくらい経ったのか分からないが
ようやくまともに呼吸が出来るようになった。
その間、他の魔物に襲われなかったのは幸運だったのかもしれない。
(実際は狼型の魔物の魔力のせいで、神域の森の中域に住む他の魔物は基本的に近づけない。狩りの時は魔力を抑えてるだけである。)
俺とタジキは座り込んでしまう。
ナディアは気絶したままだが、起こすために座ったまま揺さぶる。
ナディア
「みんな、死んじゃったね……」
タジキ
「死んではいねーぞ。覚悟はしたが。」
俺(カイル)
「もう今回は無理だ。タイラントボアの素材取って帰るぞ」
ほか2人とも
あー…と頷く
半分になったボアに近づいてる最中も足の震えが止まらないが無事に採取し
街に戻る。
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