第七話 願いは叶うが
その日の仕事は、上の空ながら、
なんとなく無事に済ませたつもりの
閉店間際となって、いつも以上に
カフェのカウンターで、まばらになったお客を誘導する。
「ご注文はこちらへどーぞ。」
「アイスコーヒーとレモンソーダを。」
注文主の顔を見た途端、涙が溢れ、もう仕事にはならなかった。
「《あっ!!!!!あの、お父さん!後にはあの男の子!》」
そばにいた
「代わって、お願い。」
もう、とにかく、何がなんだか、涙が止まらなかった。
「よかった、、、、」
「ほんとに、、、、」
「よかった。」
タイムカードを済ませると、
向こうでは
ロッカールーム前の休憩室は、
仕事を終えてリラックスしたスタッフの
退社の前の楽しい談笑タイムだった。
「ねーねー昨日のニュース見た?カーチェイス!!
話を振って来たのは、アルバイト同期で、
ここでは一番の仲良しの
「それ、私です。」
案の定、あれだけの騒ぎ、話題が出ないはずがない。
否定しても誤魔化し切れないとの判断で、
針の
休憩室の同僚が全員集合だ。
「えっーーーー!うっそー!」
「一晩、警察で泊まって来ましたー。」
明るく振る舞って、話を早く切り上げたい
「ちょっと
「
「先輩、今日ちょっとおかしかったのは、それですか。」
由希「うーーん、私もよくわからない。これ夢じゃないよね。」
「ちょっと、大丈夫か?
一同からの事情聴取、質問攻めに疲れて来たところで、
「
「《ナイス
「それじゃあ。」
と言うことで、大方のスタッフは帰路についた。
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