ShowTime3:ルルナというメイドの存在

初めての怪盗としての仕事から丸一日が経った。

僕はまだヘトヘトだった。

慣れない怪盗・・・、というか絶対に経験なんかしないと思っていた怪盗の仕事をしてしまったんだから・・・。

こんなのおかしいでしょ?

だって僕は元々警察なのに、こんなの・・・

例え悪人相手にしたとしてもこれは紛れもなくでしょ!


「ん?」


誰かがドアをノックするのが聞こえた。

すると声もした。

声の主はメイドのルルナだった。


「リクト様、初仕事お疲れ様でした。」


「お疲れ様じゃないよ・・・」


ルルナは宥めているようだけど僕はもうこりごり・・・。って言いたいけどこの家に生まれたからには怪盗はもう"宿命"なのかな・・・。


(僕もう泣きたいよ)


そう思っていると本当に涙が出て来ちゃった…。

そもそもなんで怪盗なんかに・・・。

僕は前世では子供の頃からかっこいい警察に憧れて警察になったのに・・・。

法を守るはずの僕が法を犯す側になっちゃうって・・・

どういう感じ?

もういやだよ・・・。


「え?」


ルルナが僕を優しく抱きしめてくれた。

僕を慰めているのかな?


「泣かないでください、リクト様・・・。何が悲しいのか分かりませんが、私はいつでもリクト様の傍にいますから、我慢しないでください・・・」


ルルナの胸の中は温かかった。

まるでお姉さんが出来たみたいで嬉しかった・・・。


そうだよね。

僕はもう警察官としては無理だけど、困っている人を放っては置けないから・・・。


この世界では、本当はちょっと嫌だけど怪盗として困っている人を助けたい!

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