ShowTime2:初めての怪盗
怪盗としての修行を始めてから1年経った。
僕は7歳の誕生日を迎えた。
去年と同じく、両親が誕生パーティーを開いてくれた。
ルルナを始めたくさんのメイドや使用人に囲まれてのパーティーは相変わらず悪くはない。
「さて、リクトよ。本題に入るが、お前にもそろそろ怪盗としての仕事を任せようと思うんだ。」
(怪盗としての仕事?)
ついに来たか!
僕にも怪盗としての仕事が?
「早速だが、今回はある美術品の回収をしてほしいんだ!」
「美術品?ですか?」
美術品・・・。
この世界の美術品は僕のいた世界と対して変わらなかった。
絵画や彫刻といったものばかりであった。
だが、今回僕が盗むのは、とある悪徳貴族に騙されたと言う名家の壺であった。
父の話によると、その名家とは父の知り合いであり、家宝である壺をうわさを聞き付けた悪徳な貴族に騙されて盗られたと言う。
そして僕がそれを盗み返して、本来の持ち主に返すのだ。
「よし!ルルナ、早速リクトに勝負服の準備をしてあげなさい!」
「かしこまりました」
勝負服!?
一体何をさせる気って・・・ええ?
「では、リクト様、脱いで下さい」
「ちょっとルルナ!やめて!」
ルルナが無理矢理僕の服を脱がせ始めた。
それから僕に無理やり何か服を着せていっていた。
5分後。
鏡を見てみると、僕は昔漫画で見た事あるような怪盗の姿になっていた。
黒一色に上下ともに黒一色に染まっているかのような感じに、中には白いシャツ。
黒野シルクハット。
左目にはモノクル。
まさに怪盗そのものの姿だった。
僕は渋々、父の依頼を遂行する事にした。
ーーーーー
そして目的地へ着いた僕。
誰にも見つからないように隣の建物の屋根に身を潜めていた。
やっぱり気が引ける・・・。
(元警察官の僕が泥棒なんて・・・。)
でも・・・。
父の言葉を思い出して僕は、思った。
(困っている人がいるって事は分かった)
だったら僕はやるだけやってみるか!
そう決心してぼくは作戦を実行した。
ーーーーー
「うわ!なんだ?予告状?」
『今宵!あなたが奪った壺を頂く!』
「なんだこれは?子供のいたずらか?」
「へ、こんなもの誰が信じる・・・っておい!灯が!」
早速灯を消して、壺を奪還する事に成功!
灯が付いたがもう遅い!
「って?壺が無~い!!」
こうして僕の初仕事は成功で終わった・・・。
まだ気が引けるけど・・・。
ーーーーー
家に帰って咆哮すると、父と母が喜んでくれていて。
「リクト!よくやった!始めてにしては上出来じゃないか!」
「素晴らしいわ!」
「あ、ありがとうございます・・・」
まあでも、これで本来の壺の持ち主も喜んでくれるだろうね・・・。
転生怪盗~警察官、異世界では大怪盗に生まれ変わる~ 竜ヶ崎彰 @dorago95
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