ランニング49:魔法のダンジョンと、そのクリア報酬


 ラスボスの設定を、ダンジョン・コアの情報から確認すると、ソードマスター:アグランカとなっていました。なんでも、遥か昔に剣の達人だったらしいですが、いくら剣技を極めようと切磋琢磨しようと寄る年波と寿命には勝てず、未来永劫の研鑽を積む為に、ダンジョンマスターでもあり、ラスボスにもなってしまったという、ツッコミどころしか無い存在でした。


 ぼくは、とりあえずアグランカを、攻撃されない限りは反撃不可というのと、マスターとその関係者にはいかなるスキルも使用不可という設定を加えてから、ラスボス部屋にリポップさせました。いくつか確認しておきたい事が出てきたからです。


 さっきよりはだいぶやる気の無い姿で、アグランカは尋ねてきました。年甲斐も無く、拗ねてる感じです。


「で、新たなマスターよ。さっきの種明かしをしてくれんか?」

「まあ、その前に、ぼくがどんな存在なのかを伝えておいた方が受け入れやすくなると思うから、そっちの話を先にするね」


 という事で、ぼくが異世界から神様に呼ばれて来て、この世界の行く末を託されて、ユニークスキルを与えられ、このダンジョンやアグランカに対して使ったのは、そのサブスキルである事などを伝えました。道中で使ったのも、他のダンジョンを制覇する事で得た副産物である事なども含めて。


「さっきアグランカを倒した方法は単純でね。バッシュに、ぼくが使えるスキルを使える様になるサブスキルを使った上で、アグランカに対して『同調』のサブスキルを使ってもらったの。移動してないから、速度はゼロになる。その場で何かの動作をするにしても、それはほとんど早さを持てない物になるから、実質動けないのと同じ」

「それで、動けないまま斬られたのか。なんと卑怯なスキルよ」

「まあ一対一ならお互いに動けないままになるし、ぼくが早く動けば同じ早さで動かれちゃうんだけどね。二つのサブスキルの組み合わせだから、仕方ないね」

「むう、魔法の類の理不尽さには生前から苦しめられてきて、大抵の魔法は剣で斬れる様になったが、気温や重力の様に、斬り様が無い事象そのものについてはな」

「それでも、斬れる物ならなんでも斬ってしまえる様な怖さは伝わってきてたけどね。だから絡め手を使わせてもらったよ」

「魔法使いに魔法を使うなというのも卑怯ですしな。それは仕方あるまい。しかし、主様よ。貴方の力を見込んで頼みがあるのだが」

「なんとなく察せるけど、言ってみて」

「この近くに別のダンジョンがあります。こちらが剣士の為のダンジョンであるなら、そちらは魔法使いの為のダンジョン。生前のそれがしと最強の名を競った魔法使いがその主となっている筈。主様の力を以て、そちらのダンジョンもクリアして頂きたい!」

「・・・自分の所だけがクリアされたのが悔しいから?」

「それもあります。しかし、この世界の行く末そのものを託されたという主様なら、かのダンジョンをクリアした時の報酬はきっと役に立つかと」

「そう言えば、このダンジョンのクリア報酬って、あのノーマルソードだけなの?」

「そのままでもそれなりに強化された剣としてお使え頂けますが、ダンジョン・コアに触れて設定を変えれば、それなり以上の特殊な力を与えられる様になっております」

「おお、それは期待出来るかも!」

「某は、生前、何でも斬れるのが最強の剣士、最強の存在だと信じておりましたが、遥か空の高みで爆発する兵器の群れによってもたらされる破壊の嵐の前には無力でした。とはいえ、剣そのものが無力な訳もございませぬ。主様ならば、不世出な剣を生み出し、その力に相応しい使い手として歴史に名を残されるでありましょう」

「歴史に名を刻もうが、世界が終わってしまうなら意味は無いんだけどね。それでもアイディアはもらえたから、どんな設定にするか決めたよ」


 嬉しい事に、一度設定したら、変えるには再びダンジョンコアに触れる必要はあるものの、変更は可能だったので、対魔法ダンジョン向けに、それが魔法によって生み出された何かなら、全て断ち切ってその力を消滅できる力を持たせられました。これ、メチャクチャなぶっ壊れ性能ですよね?


 楽しそうなおもちゃをプレゼントされたら、すぐにそのおもちゃで遊びたくなるのは、自然の摂理だと思います。


 剣のダンジョンのあった廃墟からわずか数十kmの距離に魔法のダンジョンはあって、こちらは崩壊しかけの塔に見えたのですが、最初の階段を登ると、ダンジョンらしい異空間に接続された様で、ダンジョンとしての説明書きが最初の部屋の壁面に浮かび上がりました。


“汝、魔法の高みを究めんとする者よ。塔の最上階を目指せ。そこに待ち受ける試練を乗り越えた時、汝は想像を超えた魔法の力を手に入れるであろう!“


 どうやら、こちらもアグランカに負けず劣らず鬱陶しい、いえ、温度が高そうな誰かがラスボスでありダンジョンマスターであるみたいですが、いちいちノーマルソードみたいな何かを育てていかないといけないということは無さそうです。

 なので、どれくらいの外法が許されるのか試す意味でも、パワープレイで進めるだけ進んでみる事にしましたが、先ずはダンジョンの仕様確認からです。


 最初の部屋にいたのは、何の変哲も無いスライムが一匹でしたが、ハーボが踏みつけても、アダマンタイトのナックルで殴りつけても、ドロヌーブの大斧による斬撃でも、一切のダメージを受けずに平然としてました。


「これは、魔法でないとダメージを受けなさそうですね」

「うん。そうみたいだけど、どの範囲までなら魔法と認めてくれるのかを試していくよ。ここも、途中で随時対応してくる可能性があるから、最初から全部の手札は開けていかないけど」


 剣のダンジョンでは大活躍したゴーレム球は、ロックでもブロンズでもアイアンでもシルバーでもゴールドでも、たった一匹の平たいスライムをすり潰せませんでしたが、クリスタルゴーレムのにのしかかられた瞬間に、無敵に振る舞っていたスライムはプチッと潰されて、床の染みになって姿を消し、次の部屋への通路が開かれました。

 そこからは、通路の先の階段を登り、次の部屋で出てきた色取り取りのカラフルなスライムだったり、インプだったり、グレムリンだったり、ウィスプだったりを、やはりクリスタル・ゴーレム球で圧殺していきました。空中に浮かんでるのでも、重力操作で無問題でした。

 10階の小ボスは、ゴースト・ウィザード。魔法使いのローブの中に黒い霞が詰まってる感じで、魔法の杖を振り翳し、床の形をと素材を変えてクリスタル・ゴーレムの動きを阻害する事には成功していたのですが、リーディアが放った光線に貫かれて消滅しました。

 そこから20階の小ボス部屋までの通路や階段などに魔法の罠が仕掛けられるようにもなっていたのですが、それが通路に仕掛けられてるのなら、クリスタル・ゴーレムが通るだけで無効化されていき、壁や天井に仕掛けられてる様な何かなら、ぼくがアダマンタイトの糸の先の小石を投げつけて破壊していきました。


 11−19階は同種や別種の魔物の二匹組だったのですが、20階の小ボスは、いきなり10体のゴーストウィザードが待ち構えていて、こちらが視界に入るや否や、魔法の詠唱を開始。半数が魔法の障壁を多重に展開。残り半数がこちらに先制攻撃を仕掛けてきました。


 火の玉と風の刃が組み合わされて、炎の旋風とも呼べるような何かが複数向かって、こようとしていたのでしょうが、ぼくが操作するクリスタル・ゴーレム球で全て受け止めて掻き消し、障壁も全部打ち破ってから、リーディアに倒していってもらいました。剣のダンジョンでは見てるだけで暇そうでもあり辛そうでもあったので、こちらでストレス解消していってもらいましょう。


 そこから先、各小ボス部屋では特に、クリスタル・ゴーレム球の直撃を受けないように硬い土製の壁が迷路の様に築かれたりもしましたが、それが魔法で構築されている物であれば、クリスタル・ゴーレム球が触れた瞬間に崩壊してしまうので、相性的に無駄な抵抗というか、ご愁傷様ですといった展開が50階の中ボス部屋まで続きました。

 このダンジョンの名誉の為に言っておくと、普通なら物理攻撃無効な敵がわんさかと出てきて、意地悪な魔法の罠がそこかしこに散りばめられ、姿を消した敵も魔法でないと検知できなかったりな筈な敵とかもバッシュに暇潰しの様に鏖殺されていきました。(バッシュも普通のゴーレムではないので、魔法生物扱い=魔法攻撃の一種となっている様でした。シルバーやゴーレムとかからすれば納得がいかない基準かも知れませんが、そこは多分存在の希少性と用いられてる魔法的手段の高度さとかが絡んでるんじゃないかと推測しました)


 50階の敵、中ボスは、ダンジョンとしては苦肉の策だったのでしょう。魔法使いタイプではなく、魔法剣士の様で、片手に杖、もう片手には剣を手にしていました。


 安全策として、部屋の手前の通路で、バッシュとリーディアと相談してみました。


「どう思う?何か一つか二つくらいは無効化してきたりしそうだけど」

「クリスタル・ゴーレムはその特性を書き換えられるか何かして対処されるかも知れません」

「そんな事できるんだ」

「相手が、魔法を究めし者だったのであれば、魔法を無効化したり反射してくる存在への対抗手段を持っていて当然とも言えますから」

「バッシュならどう?」

「おそらく問題無く倒せるとは思いますが、対応時間的に、終盤でやはり何らかの対策を講じられる可能性があります」

「だよね。そしたら、ここは力技で押し通ろうか」


 一旦階段まで戻って作戦を伝え、準備をしたら部屋の入り口まで戻りました。

 ぼくの手のひらの上にクリスタル・ゴーレム球を浮かせ、ぼくの体ごとリーディアに結界で包んでもらった状態で、中ボスの魔法剣士ゴーストへと突貫。その直前に、リーディアには部屋の中をフラッシュという光を放つだけの魔法で満たしてもらった甲斐もあってか、クリスタル・ゴーレム球によって、結界と魔法剣士の障壁は消滅させられ、そのまま中ボスはダンジョンの壁に押し挟まれて消滅しました。


 そこから先は、タイムアタックの開始です。ダンジョンに対応時間をなるたけ与えない為に、列車ごっこ状態でクリスタル・ゴーレム球を蹴りながら爆走して60階、70階、80階までの小ボスと89階までの階層をクリア。

 90階のボス部屋の入り口は、なんと、分厚い固い素材の何かで塞がれていて、クリスタル・ゴーレム球をぶち当てても少し欠けるくらいという硬度を誇っていました。

 シフトで抜けても良かったのですが、何が待ち構えてるかも分からなかったので、ここからはバッシュの出番でした。

 バッシュはまだぼくの使える全てのスキルを使える状態(使用制限のある物は、剣のダンジョンから移動してくる際に更新をかけて再使用できるようにしておきました)なのもあり、クリスタル・ゴーレム球を左手に鷲掴みにした状態で、右手の剣で壁を粉微塵に切り裂き、その粉塵が収まらない中を突撃。即座に魔法攻撃の嵐が入り口へと撃ち込まれましたが、バッシュが全てを打ち消しながら敵を全滅させ、そのまま次のフロア、またその次のフロアへと止まらずに駆け抜けていきました。これも、ダンジョン側に対応時間を与えない為です。


 バッシュそのものの強さとこのダンジョンとの相性(クリスタル・ゴーレム球という反則技込みで)もあり、99階までをクリアして100階目前に至るまで、およそ一分でした。まあ、ぼくとリーディアがそれなりに急ぎつつも慎重に進んだせいもあってですが、バッシュだけなら三十秒もかかってなかったかも知れません。


 100階には、ラスボスであろう、豪華なローブに身を包んだ?と言えなくも無さそうな、エルデスト・ウィザードという黒い霞の集合体な存在が待ち受けてました。


「良くぞここまで参ったな、挑戦者達よ!まともな魔法使いとは到底」


 とかなんとか話しかけてきてましたが、クリスタル・ゴーレム球を掲げたバッシュが素の最高速度で突撃。しかし相手もさる者なのか、バッシュの動きは止められ、その手からクリスタル・ゴーレム球は落ちて床で粉々にひび割れました。


「その手がいつまでも通じると思ったのか?」


 とか得意げに言ってましたが、ぼくは鑑定メガネをかけた状態で、サーチスキルも瞬足スキルも発動しつつ、ボス部屋にかけられた魔法的な仕掛けを一つずつ、ノーマルソード改で、アグランカは魔断剣とか命名してましたが、後で設定変えるつもりなのでボツにしておきましたが、解除というか消滅させていき、見せかけの壁の向こう側や天井裏のスペースに設置されてた様なのも含めて百個以上も潰したので、ラスボスを消滅させるまでに一秒くらいはかかってしまいました。


「バッシュ、大丈夫?」

「問題ありません。このまま自動修復でも一時間もかからずに全快できます」

「んじゃ、それは戻るまでの走行時間で埋めるとして、と」


 ボス部屋の奥の通路でも、最後の悪あがき的に仕掛けられていた罠も消滅させたりしながら、ダンジョン・コアでマスター登録を済ませ、ラスボスには制限などをかけてからリポップさせました。


「この私を倒されるとは、偉大なるマスターよ。御名をお聞かせ下さいませ」

「カケルだよ。そっちの名前は?」

「ガナクト・シーマにございます。立て続けの質問失礼しますが、先ほど貴方様が振るわれていた剣は一体?」

「まず、ぼくがどんな存在かを説明しておくね」


 さっきのアグランカにも説明した内容を繰り返し、このダンジョンに来る前に剣のダンジョンをクリアしてきて、ガナクトが暇にあかせて仕込み続けてきたのだろう備えを台無しにした剣も、そこのクリア報酬をいじった物だと伝えると、


「彼奴のダンジョンが貴方様に先にクリアされたのは愉快ではありますが、その副産物で私のダンジョンまでクリアされてしまったのは愉快ではありませんな」

「まあそこは諦めて。どの道、全部のダンジョンをクリアしないといけないぽいから」

「世界中に点在し、いつの間にか生まれ、いつの間にか消滅するダンジョンの所在を全て把握されるだけでなく、たった一日で複数のダンジョンを制覇されていかれるのも規格外でございますな」

「それで、このダンジョンのクリア報酬は?何か特定の魔法を創造出来たりするの?」

「魔法創造。何と甘美な響きでしょうか。その夢を追い求め、人としての生の短さに絶望しつつ、魔法を究めんと励んでいたら今の境遇に何故か落ち着いていましたが、先ほどの質問の答えは、その効果の内容と範囲次第となります」

「まあ、そりゃそうだよね。宇宙創造とか、どんな因果律でも操作してしまえるとか、過去を改変してしまえるとか、想像力の及ぶ範囲まで全てを実現できたら、それはもう魔法なんて範疇には収まらないだろうし」

「はい。それこそ神のみぞ可能な奇跡の所業でしょう。ですから、その剣が持たされた機能くらいが限度かと」

「このノーマルソード改は、魔法で生み出された何かであれば何であれ断ち切り消滅できるって性能で、魔法が関わってなければ紙でも布でも切れ込み一つ入れられないって塩梅が良かったのかもね」


 という訳で、ダンジョン・コアに触れながら、どんな魔法を創造できるのか調べていってみると、ラスボスでもあるガナクトが使える魔法は無条件に使える魔法の杖を作れて、その杖を通じて、創造した魔法も使える様になるという仕組みでした。

 ちなみにですが、ノーマルソード改などと同様、ダンジョンのクリア報酬は、クリアした当人にしか使えないか、他人に貸与した場合はその性能が相当に劣化する仕様でした。バッシュは、存在として独立していて、誰かの護衛にしても、その人の物になる訳ではないので、性能はそのままという素敵ご都合仕様でした。


 幸い、この魔法ダンジョンのクリア報酬となる魔法創造も、一度設定しても、その設定を取り消せば、別の何かを再設定できるのは確認できたので、どんな内容の魔法なら創造できるのか、ダンジョン・コアと対話するように探っていきました。

 結局、ダンジョンをクリアするのにかかったのと同じくらいな時間がかかってしまいましたが、その甲斐はあったでしょう。もうだいぶ良い時間になってたのでイルキハへとワープで帰還。夕食をリーディアとその家族と一緒に食べ、お風呂でリーディアと体を休めながら今日の冒険について振り返っている話題の中で、どんな魔法を作ったのかについて触れました。


「次のチェックポイントがもしかしたら当分先になるかも知れないから、一定時間過去に戻れる魔法とか作れるかなと思って確かめてみたら、10秒までなら過去に戻れるのは作れそうだった」

「10秒。常人なら、それでどれだけ状況が変えられるか微妙そうですが、世界を一瞬で股にかけるカケルなら、それなりに足掻ける余地は生まれそうですね」

「ちょうどそのスキルの再使用時間にかかって使えないって状態でも無い限りはね」

「タイミング的に、どうしても噛み合わない場合は生じてしまうでしょうね」

「だから、それにしたんだ」

「というのは?」

「ぼくの使えるスキルの内、一日に一度まで、その再使用制限を無視してまた使える様になる魔法」

「・・・それは、大丈夫なのでしょうか?」

「もちろん、ぼくも心配したよ。ぼくのユニークスキルははっきりと神様由来だし。だけど、逆に言えば、神様に許可されない魔法は存在し得ないんじゃ無いかと考えたんだ。さっきの、十秒前の過去に戻れる魔法なんかも、その許容範囲が示された感じだと思うし」

「そう言われれば、そうかも知れませんが」

「どっち道、チェックポイントには頼れない、容易く戻るという判断を下せないような緊急事態でも起きない限りは使う機会の無い、ほぼ最終手段になると思うよ。普段から、重要なスキルほど再使用制限を解除してから山場には臨むようにしてるしね」

「今日の剣と魔法のダンジョンの攻略でも、その慎重さは存分に発揮されているのを見ました。あなたが神様より与えられた能力に溺れる事無く過信する事も無く、可能な限り誰も死なせず傷付けないよう配慮している姿を見て、私は得難い人を配偶者として得られたのだと、与えられたのだと、また嬉しくなりもしました」

「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、褒めすぎかも知れないよ?」

「いいえ。褒めすぎかどうかは、この後の将来で、あなた自身がそうでないと証明して下さる事でしょう。私や他の妻達や、それぞれから生まれた子供や家族達を守る為に、あなたはあなたに与えられた全ての力を惜しみ無く発揮して下さるでしょうから」

「・・・ぼくに出来る事は、出来る限りしていくつもりだよ」

「私も、私に出来る事は、出来る限りしていきます。今この場では、あなたを愛し、あなたとの愛を深めていきましょう。あなたとの間に愛の結晶を授かれる様に」

「そう聞いたら、ぼくも頑張らなきゃいけないね」

「はい。愛とは二人して築き上げるものでしょうから」


 という事で、今夜も、明日はまた忙しい日だとは分かっていましたが、明け方近くまで頑張ってしまいました。

 目を覚ました時にはすでに日は高く登ってましたが、ドースデンには何時までに行くという約束もしてなかったので、ブランチをリーディアと一緒してから、レベルを上げつつドースデンへと向かいました。

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