第5話 ダンジョン 始まりの洞窟

ユミルの装備を購入したあと再び冒険者ギルドに戻ってきた。受付で


「ユミルとパーティーを組むレベルも5以上なのでダンジョンに入りたい」


「一応推奨レベルは超えてますが、二人ですしね」


受付のお姉さんは困り顔で答える


「二人で問題ない、時間を掛けて進めば二人でもクリアできる」


自信満々に言うと、お姉さんはしぶしぶ


「奥の扉にお進みください」と折れてくれた


扉の奥は少し広くなっていてたくさんの扉があった


そこにもギルド職員がいて


「なんレベルだ?」とぶっきらぼうに聞いてくるので


「レベル5だ」と答えると一番左の扉に入れと言われる


一番左の扉に入ると中は狭く、中央に転移陣があったので二人で乗ると転移陣が光り始めて部屋が変わった。部屋をでると知らない建物の中で、近くのギルド職員が話しかけてきた


「ダンジョン始まりの洞窟ギルド支部へようこそ、外にでて左に行けばすぐだんじょんですよ」


とその男性は丁寧に教えてくれた。


外に出ると、建物が数件あるだけで、規模でいけば村という感じの所だ。言われた通りに進むとすぐに洞窟の入口に着いた。洞窟の中に入るとゲームでやった始まりの洞窟で感慨深く周りを見渡した。


「ユミルまず、複数モンスターが出てきたら、まず俺が一番近くのモンスターに攻撃する、そのあと周りのモンスターが俺に寄って来たら、ウォークライを使う。そしたら俺が最初に攻撃したモンスターにエアカッターを使え。俺が被弾したらヒールではなくリジェネを使え。ヒールが欲しい時はその都度超えてから後はひたすらエアカッターでモンスターを倒せ」


「モンスターに攻撃していいんですか?前のパーティーの時には攻撃するなって言われてたんですけど?」


不安そうにユミルが聞いてくる


「大丈夫だ!どんどん攻撃しろ!」


「わかりました。モンスター集まってきて死んでもしりませんからね」


とりあえず先に進んでみる事にした。しばらく進むとゴブリンが3匹通路の奥にいた


「俺が攻撃した後、ウォークライを使ってから、攻撃な!間違えるなよ」


「何回も言われなくても間違えません」


怒ってふくれっ面だが放置して、ゴブリンの方に走って行った。ゴブリンがこちらに気づいたが、戦闘態勢をとる前に先頭のゴブリンに「スラッシュ」と横なぎ攻撃を入れそのまま奥に行く。ゴブリン3匹が射程に入ると「ウォークライ」を使いゴブリンのヘイトを集める。そして次のゴブリンに「スラッシュ」を入るれそのころにはユミルが最初のゴブリンにエアカッターで攻撃していた。ゴブリンのこん棒を盾でうけながしながら、もう一度「スラッシュ」を入れる。こちらが2匹目のゴブリンを攻撃している間に1匹目のゴブリンが倒されたので、3匹目のゴブリンに攻撃し始める。すぐに2匹目のゴブリンも倒されたので後は最後のゴブリンだけなので余裕をもって倒した。


戦闘後ユミルが興奮して寄ってきて


「どうしてですか?なんでゴブリンがこっちに寄ってこないんですか?それになんでこんな簡単にゴブリン倒せるんですか?前のパーティーの時はもっと時間が掛かっていたのに!」


「そんなにいっぺんに聞かれてもわからん。まず先頭のゴブリンに俺が攻撃した。それでそのゴブリンの敵意は俺に向くわけだ。次に3匹に効果範囲が入るようにウォークライをしようした。このスキルは効果範囲内のモンスターの敵意を集める。だからユミルが攻撃しても敵意は俺に向いたままだ。そして1匹目のゴブリンは俺が攻撃して敵意を引いているから、1匹目のゴブリンはユミルに任せて2匹目のゴブリンを攻撃するこれを繰り返せば、ヒーラーにモンスターの敵意を集めることなく倒せるわけだ。ちなみにゴブリンの攻撃は遅く単調なので盾で受け流しながら攻撃すればほとんどダメージを受けずに倒せるわけだ」


「すごいです、カイトさん天才です。前のパーティーの時はあんなに苦労したのに、人数も二人でこんな簡単に倒せるなんて!」


ユミルは興奮しながら早口で褒めてきた


「そんなことないよ。今回はたまたま考えていた作戦が上手く行ったし、ユミルも指示どうり行動してくれたから」


「そんなことないですよ!私はカイトさんの言ったとおりに攻撃していただけですから」


「まだダンジョンの中だから気を引き締めて先に進むよ」


「はい」とユミルは元気よく返事した


何回かゴブリンとの戦闘をしてから進むと宝箱があった。ダンジョン内の宝箱は基本あまりいいものは入っていないが、こっちの世界ではポーションなんかもゲームと違って値段が高くなっているので、すべて回収することにした。ラグナロクファンタジーオンラインにはジョブに盗賊がなくダンジョン内の宝箱を開けるときに罠の解除などなかったので、そのまま開けることにした。宝箱の中身はポーションだった。外れだなと思いながらユミルに渡して持ってもらうことにした。

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