第11話

3人でしゃべりながら昼を食べていると騒がしくなる廊下。

この感じはまたあいつだな…。




「コタロー!遊びに来たぜ!」




そう言いながら入ってくるのは天野。

今日は片割れも一緒だ。


天野は双子。

双子の兄は黒髪で弟は金髪。

よく虎太郎を迎えに来るのは金髪の奴。




怜央れお琉生るい、どうしたんだよ昼に来るなんて」

「転校生が来たって聞いたからさ!気になって」




怜央と呼ばれたのが黒髪、琉生と呼ばれたのが金髪だ。


こいつらも彩奈のことが気になってきた野次馬か。

昼の間もずっと廊下から教室内を除いてくる他クラスの奴らがいて落ち着かなかったのに…。




「ってコタロー!!この子だろ転校生!」

「声デカいって!そうだよ、転校してきた彩奈ちゃん」

「へぇ!噂通り可愛いねぇ!」

「仁科です、よろしくおねがいします」

「よろしくね~、俺が琉生でこっちが怜央。見ればわかるかもしれないけど俺ら双子なんだ!」

「すごくそっくりですね」

「だろ~よく言われる」




ニコニコしてる琉生と無表情で黙って話を聞いてる怜央。

似てるのは顔だけって感じだな。


双子のことをこんなに間近で見るのは初めてだ。




それにしても視線が痛い。

教室内だけじゃなくて廊下に集まった人からもすごく視線を感じる。

ただでさえ注目されてた彩奈と、日ごろから注目されまくってる夜叉の幹部の双子が集まっちゃってるから仕方ないのかもしれないけど。

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