第7話

「ようやく来たな!!!!」





教室に入った瞬間、自分の席から叫ぶ虎太郎。

その声のデカさにびっくりした。




「おはよ」

「おはよ、じゃねぇよ!遅いよずっと待ってたんだぞ!」




そう言う虎太郎はなぜか子犬のように見える。




「悪い悪い、そんで?転校生がなんだって?」




教室内を見るとできている人だかり。

あそこに転校生がいるんだってことはすぐにわかった。


ただ、俺の席の手前のような気がするんだが気のせいか…?




「それがさ!転校生がやばいんだよ!」

「期待外れ?」

「ちげぇよ!期待以上!めちゃくちゃ可愛くて今ああやって人気者になってる」

「へぇ、それはよかったな」

「おい!他人事だな!今日から俺の後ろの席に座るんだぞ!つまり律の席の隣!」

「え。」




ってことは俺やっぱりあの人だかりの向こう側に行かなきゃいけないのか。



俺は窓際の1番後ろの席。

だから転校生の席は窓際から2番目の1番後ろの席。

なんでそんなところが開いていたのかって感じだけど、少し前に席替えをしたときにくじ引きでたまたまそこが空席になっただけ。


せっかく隣に人がいない席をゲットしたのに。

残念だ。

当分の間は席の周りが賑やかになりそう…。

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