第三章:小さな光、かすかな希望
第11話:一夜明けたその後で
「
宮廷楽士への登用を
その栄冠を手にした翌日の朝、
そんな温かい想いに包まれたその瞬間、私は夢が
「ありがとう、みんな」
笑顔で私がそう言葉を紡ぐと、その視線の先に見えるのは「よかった、本当によかった」と満面の笑みで
「だから言ってたでしょ?
いつもと変わらない笑顔で、そう手を差し出す
「信じていたよ。本当に信じてたんだからね、
そんな
すると
私があわてて視線を向けると、そこにあるのは涙でぐしょぐしょの
だから私は、込み上げる想いを抑えるように宙を向く。
そして息を詰まらせながらも、「ありがとうございます。
店の
そんな穏やかな時の流れに身をゆだねていた私の意識は、ふと大切なことを思い出し、現実へと引き戻される。だから
「すいません、
私は、そう申し訳なさそうに言いながら、
「いいよ、いいよ。あの
「で、でも……」
そう困った気持ちを
「これは俺からの
「李
「もちろんそうだ。でも
そんな李
「そうだなぁ……。じゃあ
そう優しくささやく李
そんな雰囲気に流されて、私は思わず二胡を受け取ってしまったものの、すぐにある大切なことに気づく。
「李
私のその言葉に、急に噴き出す李
「
そう意地悪そうに
「今日は臨時休業なんだよ、
そうだ。だからこそ、
それを心から理解した私は、店にいるみんなににっこりと微笑んで、静かに
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