第二章:仙術と心の旋律と
第06話:紫陽花の朝に
陽光が薄い朝
「今日は、きっといい日になる」
そう自分に言い聞かせ、私が竹
「おーい、
その呼びかけに、私は「はーい」と明るく返事をする。そして「何かあったのかな?」と、
そして店内に入って、李
「ど、どうしたんですか、
あまりにもの意外な光景に、思わずそんな一言を告げると、苦笑いを浮かべるのは
「失礼ね、私だってちゃんと早く起きようと思えば起きられるのよ。……まったく、
「
「あ、これね。むかし私が着ていたものなんだ。今日の音楽宴で、
そう嬉しそうに微笑むのは
「ちょ、ちょっと
でも、そんな笑顔の
だってそれは、真っ白な絹地に、
「大丈夫だって!
そのとき急に私の背後から聞こえてくる可愛い声。
あわててその声の方に視線を向けると、そこにいたのは
「あと、これも
そう言って、
「ちょっと待って、
そんな私の戸惑いに、「これは高価な
「
そう取り乱す私に対し、
「今朝ね、今日の迎暑節の音楽宴に
その
でもそんな必死さも、
「こら、
そんな
「はいはい、これから
◇
「店主さま、
「
「そうでしょう、そうでしょう。せっかくだから、髪を後ろで大きく結ぶだけではなくて、長い束を何本か垂らしてみたの。
でもその瞬間、私は李
「李
「あぁ、これかい? これはこの店に置いてある最高級の
李
「店主さま、これって、皇帝陛下にいただいたものじゃない?」
驚いた顔でそう告げるのは
「いいんだよ、
そんな李
そう、まるで温かい光が心の中を満たしてゆくように、少しずつそれが温かくなっていくのを感じざるを得なかった。
そのすべてがすべて、私への想いが形になったもの……。
「ありがとう、みんな……」
そんな温かい気持ちに私が応えることができたのは、この短い一言であった。いや、その一言さえ、ちゃんと言えたかどうか怪しかった。だって私の胸の中は感動でいっぱいで、そこに言葉が入る隙さえなくて……。
そして、その時、
「
そんな朗らかな声と共に
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