第18話:リクリエーションエリアの着工
飯ダンジョンの評判は日に日に高まり、冒険者や訪問者たちの期待を背負いながら、施設は順調に稼働していた。温泉と宿泊施設の癒しが訪れる人々から絶大な支持を受け、「ここに来るだけで心も体もリフレッシュできる」と口コミで広まるほどの人気を誇っていた。訪問者たちは、ダンジョンの魅力を語るだけでなく、再訪の計画を立てるほど夢中になっていた。
光三郎はその盛況ぶりを見つつも、次なるステップを模索していた。
「癒しや宿泊だけでは、いつか人々を満足させられなくなる。それに、もっと楽しめる仕掛けを作れば、滞在時間も延びるし、評判もさらに上がるはずだ……」
彼の頭に浮かんだのは、冒険者や村人たちが夢中になれる「娯楽」の空間だった。癒しと宿泊に続く、新しい魅力を提供することで、ダンジョン全体をさらなる進化へと導こうという構想だ。
そんなある日、実験をしていた光三郎にリリィが声をかけてきた。
「ご主人様、それは何をしているんですか?」 「これは、新しい構想の一環で実験しているんだよ」
【モンスターカテゴリー】
ミニゴーレム:5DP
成人男性の腰丈ほどの小型ゴーレム。魔核を組み込むことで所有者の簡単な命令に従うが、高度な判断は苦手。
【道具カテゴリー】
魔道コントローラー:5DP
異世界仕様の魔力操作型ゲームコントローラー。使用者が魔核とリンクすることでゴーレムを自在に操作可能。
魔核:1DP~
魔物の核や魔鉱石など、魔法エネルギーを内包する結晶体。魔力に応じて消費DPが変動する。
光三郎が描いた新エリアのテーマは、「冒険者も非戦闘員も楽しめるエンターテインメント」。その中心となるのが、参加型のヒューマノイドゴーレムバトルだった。
「このミニゴーレムは、コントローラーと魔核をリンクさせることで動かせるんだ。難しい命令はできないけれど、コントローラーを使えば簡単に操作できるだろう?」
この新しい仕組みにより、参加者が自分でゴーレムを操縦する体験型のアクティビティを楽しめるようにする。そして観戦者にも勝敗を予想して賭ける仕組みを用意し、参加型と観戦型の両方の楽しみを提供するのだ。
操縦体験:冒険者や村人が自分のゴーレムを操作して戦う。
賭けシステム:観戦者は勝敗を予想して賭けができる。
幅広い層をターゲット:初心者でも楽しめる簡単な操作性を採用し、村人や非戦闘員も気軽に参加可能。
この構想を実現するため、光三郎はゴーレムの整備と管理のエキスパートとしてドワーフを召喚することにした。
召喚の光が収まると、たくましい筋肉と工具を腰に携えたドワーフが現れた。その姿は見るからに頼りがいのある職人だった。
「おう、あんたがダンジョンの主か?何でも俺に任せろって話を聞いたが?」
「ああ。ゴーレムの整備と、この新エリア全体の管理を頼みたい」
「いいだろう!ゴーレム整備なんざ俺たちドワーフの十八番だ。見てな、最高の仕上がりにしてやる!」
こうして、頼れるドワーフがエリアの運営に加わることとなった。
光三郎、リリィ、そしてドワーフは力を合わせ、エリア設計を進めていった。闘技場のステージには、ゴーレムの激しい戦闘にも耐えられる魔法素材を使用し、観客席は全員が戦いを見渡せるように工夫が施された。
ゴーレム選択:
近接型の「ストライクゴーレム」、
遠距離型の「マジックゴーレム」、
防御型の「タンクゴーレム」などを用意。
さらにゴーレムのカスタマイズができ、ドワーフの技術で特別装甲や性能強化を追加可能。
音響と光の演出:戦闘を盛り上げる音響装置とライトエフェクトを導入。
さらにリリィの提案で、実況解説が追加されることに。
「ご主人様、バトル中に実況をつけたらもっと盛り上がると思うんです!」
「いいアイデアだな。観客が状況を理解すれば、賭けも盛り上がるだろう」
こうして実況担当となったリリィは、熱心に練習を始めた。
設置が進む中、ドワーフの整備するゴーレムに目を輝かせるリリィ。光三郎はエリア全体を見渡し、満足げに頷く。
「これで準備は整った。あとは、冒険者や村人たちがどれだけ楽しんでくれるかだ」
完成したエンターテインメントエリアは、冒険者たちに新たな楽しみを提供し、ダンジョンの新たな活気の中心となる予感を漂わせていた。
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