第4話:ダンジョン強化と期間限定セール

カップラーメンの余韻を楽しみながら、光三郎は画面に表示されたショップリストを眺めていた。その中でひときわ目を引いたのが「発電機」という商品だった。異世界ではおよそ考えられない文明の利器だ。


「発電機か……これがあれば、ダンジョンの内部に明かりや電子機器を導入できるんじゃないか?」


興味をそそられた光三郎だったが、表示されている通常価格は1000DPと高額。現在のDPでは到底手が届かない。だが、その横に表示された赤い文字が目に留まる。


【期間限定セール】

発電機(特価):100DP

※初回限定特典!あと1時間のみ購入可能!


「100DPだと!? これ、絶対買うしかないだろ!」


光三郎は迷うことなく購入ボタンを押した。すると、ダンジョン核から光が放たれ、次の瞬間、大きな発電機が目の前に出現した。


「うおっ、本当に来た……現代の技術が異世界に降臨だな!」


光三郎はダンジョン核の近くに発電機を設置。画面に表示される指示通り、付属のケーブルを周囲に張り巡らせ、電力を供給できるようにする。発電機が動き出すと、機械的な低い振動音が響き、発電が開始された。


さらに「LEDランプ(20DP)」を購入し、通路や部屋に取り付けた。これにより、ダンジョン内が薄暗い自然光から人工的な明かりに変わる。


「ふっふっふ……この光、侵入者にとっては異質で不気味に感じるはずだ。やつらの心を揺さぶる演出だぜ」


明るすぎず、怪しげな雰囲気を醸し出す光の配置に満足した光三郎。新たなトラップや演出を思いつくきっかけにもなった。


数日後、ダンジョンに再び冒険者たちが現れた。今度は五人組のパーティ。魔法使い、戦士、弓使いなどバランスの取れた構成だ。


「今回は本格派か……いいぜ、かかってこい!」


侵入者たちは人工の明かりが灯る通路に驚き、ざわつき始める。


「なんだこの光は?松明でもないし……何かの魔法か?」

「不気味だな……普通の洞窟じゃないぞ」


光三郎は彼らの動揺を見て、笑みを浮かべた。人工光の異質さは異世界では未知の体験。それだけで侵入者たちに恐怖と興奮を与え、DPを稼ぐ要因になる。


侵入者たちは慎重に進むが、新たに追加された滑る床や矢の罠に苦しめられ、次第に疲弊していく。最後にたどり着いたボス部屋で、ゴブリンたちとの激闘の末、四人が倒れ、一人だけがなんとか撤退した。


《侵入者が撤退しました。獲得DP:200》


「よっしゃ、初回限定セールで発電機を買ったおかげで、さらに稼げるようになったな!」


明かりの導入で侵入者たちを心理的に追い詰めた結果、獲得DPが格段に増えた。光三郎はさらなる強化計画を練り始める。


光三郎は、次の計画として「現代の調理器具」の購入を目指すことに決めた。

「次は炊飯器だな。異世界の冒険者たちに『本物の米の炊き方』を見せてやる!」


現代技術を駆使した異世界最強ダンジョン――その進化はまだ始まったばかりだ。

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