第2話:ダンジョンマスターの基本ルール
「ふぅ……」
光三郎は目の前に浮かび上がる「ステータスウィンドウ」に目を奪われていた。突然の転生に困惑しつつも、今の状況を理解しようと必死だ。ウィンドウには、彼がこれから行うべき「ダンジョン運営」のルールがびっしりと記載されている。
【ダンジョンマスターの基本ルール】
1. ダンジョンポイント(DP)の収集
• **侵入者の感情(恐怖、興奮、達成感など)**を吸収し、DPを獲得する。
• **侵入者の撃破(死亡含む)**で多量のDPを得られるが、外部からの報復リスクが高まる。
2. ダンジョン設計
• ダンジョン核を中心に自由に設計が可能。初期状態では、以下の要素が配置できる:
• 通路・部屋:ダンジョンの形状を設定。
• トラップ:落とし穴、矢の罠、幻覚装置など。
• モンスター:召喚して配置(DPを消費)。
• DPが多いほど複雑かつ強力なダンジョンを作成可能。
3. モンスターの召喚
• モンスターは「召喚リスト」から選択。
• 初期段階で召喚可能なモンスター:
• スライム(DP:5)
• ゴブリン(DP:10)
• コウモリ(DP:8)
• モンスターの維持にもDPが必要。
4. ダンジョンの防衛
• ダンジョン核が破壊されるとダンジョンは消滅し、ダンジョンマスターとしての資格を失う。
• 核を守るための防御力強化、ボスモンスターの配置が重要。
「なるほど……感情を吸い取るってわけか。俺が死ぬほどやり込んだタワーディフェンスゲームみたいなもんだな」
光三郎はそのルールを頭に叩き込み、視線を輝かせた。これなら自分にもやれる――いや、むしろ得意分野だ。
光三郎は意識を集中すると、目の前に立体的な地形図が広がった。まるでゲームのマップエディターのように、地形をいじれる感覚が湧き上がる。
「よし、まずはシンプルにいこう」
• ダンジョンタイプ:洞窟型(初期設定)
• 通路と部屋の配置:一本道で奥に広い部屋を設置
• トラップ:落とし穴(通路)、偽の宝箱(部屋)
• モンスター:スライム×3(通路)、ゴブリン×1(ボス部屋)
「こんな感じでどうだ?初期ポイントの100をギリギリまで使い切ったぞ」
• 初期DP:100 → 残り0
準備を整えた光三郎がほくそ笑む中、頭の中に再び神の声が響いた。
《ダンジョンが稼働を開始しました。最初の侵入者が訪れるまで、しばらくお待ちください》
「侵入者、ねぇ……どんなやつが来るのか楽しみだ」
荒れ地の真ん中にぽつんと存在する光三郎のダンジョン。その小さな入り口に、近くの村から冒険者たちが向かっているとは、彼はまだ知らなかった。
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