ダンジョンマスターとして異世界無双 ~ポイントで創る俺だけの迷宮~
@hirashima9ryuunosuke
第1話:俺がダンジョンマスター?
光三郎は目を覚ました瞬間、状況がまったく理解できなかった。視界には広がる荒涼とした大地。空はどこまでも続く灰色の雲。背中に感じる硬い地面に手をつくと、乾いた砂が手にまとわりついた。
「……ここ、どこだ?」
自分がなぜここにいるのか思い出そうとする。だが、直前の記憶は仕事帰りの疲れた体で横断歩道を渡り、眩しい光が迫ってきたところで途切れている。
「俺、死んだ……のか?」
混乱する光三郎の耳に、突然響いた声――いや、頭の中に直接流れ込むような声だった。
《ようこそ、新たなダンジョンマスターよ》
「だ、誰だ!?」
声の主を探して辺りを見回すが、目に入るのは荒れ果てた大地だけ。だが、目の前に不自然な輝きを放つ結晶がある。大人の胸くらいの高さで、まるで心臓のように脈動しているようだ。
《私はこの世界の神だ。そしてお前には新たな役割を与える。お前はこれから、このダンジョン核を中心にダンジョンを作り上げる者――ダンジョンマスターだ》
「……ダンジョンマスター?俺が?」
光三郎は突拍子もない言葉に、夢でも見ているのではないかと考えた。しかし、次の瞬間、頭の中に膨大な情報が一気に流れ込む。それは「ダンジョンポイント(DP)」の説明、モンスター召喚、罠の設置、ダンジョンの階層設計など、この世界の「ダンジョンマスター」の基本ルールだった。
「なんだこれ、ゲームみたいじゃないか……」
その瞬間、光三郎の心に不思議な興奮が湧き上がる。ブラック企業の仕事では常に上司に怒鳴られ、自由に何かを作る楽しさなど忘れていた。だが、目の前に広がるこの荒野、そして輝く結晶を見ていると、何かを「創る」自由が自分に与えられたような気がした。
《まずは小さな洞窟型ダンジョンを設計し、冒険者たちを迎え入れよ。彼らの恐怖や興奮を糧にDPを稼ぎ、より強力なダンジョンを作るのだ》
「……やってやろうじゃねえか」
光三郎はゆっくりと立ち上がる。これが夢か現実かなんてもうどうでもいい。目の前には「作る」という新たな挑戦があるのだから。
「俺がこのダンジョンを世界最強にしてやるよ!」
ダンジョンマスターとしての第一歩を踏み出した光三郎。だが、彼の目の前に広がる異世界は、そう甘くはなかった――。
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