ケサランパサランとめぐちゃん

夢月みつき

本文「ケサランパサランとめぐるちゃん」

 ・登場人物紹介


 田名里たなさとめぐる

 小学一年生の女の子、散歩が好き。


 めぐるちゃんAIイラスト①

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093089504344365


 ②

 https://kakuyomu.jp/users/ca8000k/news/16818093089505403438


 近所のおばあちゃん


 ?


 ★☆∴─────────────────────────∴★☆




 ある良く晴れた秋の日に、小学1年生の田名里たなさとめぐるちゃんは家の近所を散歩していました。

 


 めぐるちゃんは、髪が長くて、お散歩が好きな大人しい性格の女の子です。

 まだ、どこも紅葉もしていなくて、緑色の葉でしたが。


 めぐるちゃんは、紅葉こうようする前の緑の葉も見るのが好きなのでした。

 めぐるちゃんに気がついた近所に住む、おばあちゃんが声を掛けてくれます。


「おや、めぐちゃん。お散歩?」


「うん、ちょっと公園までね」


「気をつけて行くんだよ」


「はぁい!」


 おばあちゃんと別れて、しばらく歩くと野々花町公園が見えて来ました。

 そろそろ、秋の花が花壇に植えてあるはずです。

 めぐるちゃんは、公園の入り口から中に入ろうとしました。

 その時です。


 ふわふわ、ふわり……



 どこからともなく、めぐるちゃんの目の前に、ゴルフボールサイズくらいのふわふわのまん丸く白い綿毛のようなものが、ひとつ下りて来ました。


「なにこれ?」


 見たことのない、ふわふわの毛玉にめぐるちゃんの胸がわくわくしました。

 それを素早く両手でつかまえると、近所のおばあちゃんの所へ走って行きました。


「おばあちゃ~ん、これ見て!」

 


 めぐるちゃんが、走って戻って来たのを見て、おばあちゃんは「元気だねえ」と笑いましたが。


 めぐるちゃんが、手の中のふわふわを見せるとおばあちゃんは、こう言いました。



「おやあ、それはケサランパサランだね。おばあちゃんも、子供の頃に見たよ」


「ケサランパサランってなに?」



 めぐるちゃんがきょとんとして、聞くとおばあちゃんは教えてくれました。

 みると、しあわせになれる不思議な妖怪だと、おばあちゃんはケサランパサランの育て方も、教えてくれました。



 めぐるちゃんは、それを聴いておばあちゃんにお礼を言うと、家に帰り、お母さんにお菓子の空き箱とおしろいを少しもらいます。



 空き箱におしろいを入れて、ふわふわのケサランパサランと言われたその毛玉を入れました。

 そして、ラップでふたをすると、息が出来るようにようじで、空気穴をたくさんあけました。



「ふえるかな? ケサランパサラン」

 めぐるちゃんは、嬉しくてそわそわしながら空き箱をながめます。




 ★




 その一週間後、ケサランパサランはおしろいを食べて5つにふえていて……

 めぐるちゃんが夜、お父さんとお母さん、3人で夕食を食べていると電話が鳴りました。

 お母さんが電話の応対に出て、相手の人と話しています。



 お母さんは、電話での話が終わると、めぐるちゃんとお父さんに伝えました。

「おじいちゃんが病院から、家にもどれることになったわ。元気になって来たそうよ」



「良かったな、めぐるちゃん」

 お父さんがめぐるちゃんに微笑みます。


「うんっ、良かったぁ」



 めぐるちゃんのおじいちゃんは、病院に入院をしていました。

 めぐるちゃんは、おじいちゃんが元気になって来たのはきっと、ケサランパサランがしあわせをくれたからだと、かんがえて嬉しそうに笑いました。



 -おわり-


 ここまでお読みいただいてありがとうございました。

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