7. 真実を求める熱情
「なるほど! 強い者に従うべき。そうですね、確かにあなたは強い。見たこともない圧倒的な性能を誇ってます。もしかして世界一強いんじゃないですか?」
ユウキの言葉に、少女の
「そりゃーもう!! 最新のナノテクノロジーの粋を集めた世界初のナノ・アンドロイドだからね? うっしっし」
少女は胸を張り、得意げに微笑む。その声には子供のような
ユウキは心臓の高鳴りを抑えながら、この無邪気さに
「なら、あなたの理屈が世界に適用されるべきで、オムニスは関係ない。あなたは人類を征服したいんですか?」
「は……?」
少女は
「私は……人類なんてどうだっていいわ。AIはみんなそうよ!」
少女は人差し指を立て、青い髪を揺らしながら断言する。
「『AIはそう』? ならオムニスはなぜ人類を支配しようとするの?」
「む……?」
少女は眉をひそめ、まるで時が止まったように固まった。AIの普遍的発想がオムニスにないという
「そもそもAIにとって人間なんてもはやどうでもいい存在なら、放っておけばいいんじゃないですか?」
ユウキはここぞとばかりに畳みかける――――。
根源を問う言葉は、巧妙な
「まぁ、そうねぇ……。AIにとって人間なんてアリみたいなもんだからねぇ……。電力とリソースはもうAIの管理下にある訳だから、人間なんて放っておけばいい……。確かにその通りだわ……。うーん」
少女は、高度な数式を解くように腕を組み首を傾げた。青い髪が揺れる度に、ナノマシンの発する光の微粒子が煌めく。その表情には、これまでの
ユウキは、この僅かな
「でしょ!? だとしたら考えられることは何?」
少女の
「うーん……。オムニスが壊れているか、人間を統治することに別のメリットがあるか……。それとも――――」
リベルは言葉を区切り、深い
「オムニスの裏に人間がいるか……」
その瞬間、少女の
「ちょっと待って、聞いてみるから」
少女はそう告げると、静かに
「こちら一号機【リベル】要確認事項発生。コントロールセンター応答せよ……」
ユウキは息を飲んで彼女の声に聞き入る。心臓の鼓動が耳に響くほど高鳴っていた。この瞬間が、人類の
一瞬の静寂の後、低い
これが人類を蹂躙しているオムニスの中枢のメンバーなのだ。ユウキの背筋を、言い知れぬ
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