第2話

ライラさんと雑談をしていたら目的地に着いた

「ここが…」

そこにはいかにもお金持ちの為という雰囲気の建物があった

「こんな所があったんですね」

ライラさんがそう呟く

雑談の中でわかったのは彼女は2年前に王都に来たばかりということ。妹がいること

学園寮がリフォームのため、急遽宿を探すことになったこと

(だからこんなに宿が空いていないのかな)

そんなことを思いつつ

「とりあえず空いてるか聞きましょう」

中に入り受付の人に聞く

「すいません。部屋を探しているんですけど、空いていますか?」

「はい、確認しますので少しお待ちください」

そう言われて待つこと数十秒

「お待たせしました、一室だけ空いていましたがどうされますか?」

「じゃあ彼女が宿泊するのでよろしくお願いします」

「な!フロウドさんが宿泊してください!私は別の所を探しますから」

そんなことをライラさんに言われるが

「気にしないでください、気分を害した謝礼だと思って受け取ってください」

そう言い残し建物を出る

(とは、言ったもののどうするかな〜)

そうしてすっかり暗くなった街をさまようのだった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「で、俺んとこに来たと」

「そうです」

空いていないか宿屋をもう一周したがどこも空いていなかったため、お昼に買い物をした店長の所に来たのだった

「うちは人を止めてやれるような家じゃねえからよ、泊まれる可能性のある所連れてってやるよ」

「ありがとうございます」

そうして連れられて来た場所は綺麗な建物の近くにあった建物だった

「ここも宿屋だ。しらなかっただろ」

自信ありげに言われる

「はい、知りませんでした」

「ここは、長えこと付き合いのあるとこでな、話通してやるからついて来な」

中に入ると

「いらっしゃい…ってタンタさん!」

「久しぶりだな、メグちゃん」

「こんな時間に顔を出すなんてどうしたんですか?」

「実はこいつが宿を探してるらしくてな、もしかしたら空いてねえかと思って連れて来たんだが」

そういうとメグさんは嬉しそうに言った

「空いてます!何なら全部屋空いてます!」

店長は呆れたように

「全部屋って…昼は何してたんだよ」

「お昼は変な人たちを追い返してました」

「変な人たち?」

「なんか、悪意?が溢れた人たちです」

店長とメグさんが話しているのを横目に〈スキル〉の効果で感情が見えるのだろうかと考えていると

「まあいいか、んで空いてるらしいがどうする?」

「ぜひよろしくお願いします」

「やったー!私の初めてのお客様ー」

「初めて?」

疑問に思い聞くと

「ここは元々こいつの婆さんが運営してたんだが、最近メグが引き継いだらしい」

「そうなの!今日がオープン初日なの!だからタダでいいよ!」

「いえ、払わせてください」

そういうとメグさんは不思議そうに

「どうして?」

「初めての利用者だからです。俺のお祝いの気持ちなので、利用者第一号として払わせてください」

そう言うと納得したように

「そうだね、満足してもらえるように頑張るよ」

そう言って手続きをしてくれた

「店長、紹介してくれてありがとうございます」

お礼を言うと照れくさそうに

「気にすんな、知り合いに客を回しただけだ」

そう言って帰ってしまった

そうしてご飯を食べて風呂に入りようやく睡眠にありついたのだった

そして次の朝、不穏な気配に気づき目覚めたのだった

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