第33話立ち入り禁止

「切られちゃった」


「えぇ!?助けを求める前にですか!?」


アルゴちゃんに肩を掴まれブンブンと揺らされる


「あの怪物を避けて!死んだ場所に行くのは!!大変ですよ!!」


「落ち着いて。ゆっくり息吸って吐いて」


不自然なほどに焦っているアルゴを落ち着かせる




「なんでデュラハンに会った時にあれを、、ああーーーー」


「どんまい」


「・・・」


「痛い!ごめん!今のは煽った!ごめんごめん!!紙耐久だからやめてけれーー!!」


アルゴに結構真面目に叩かれる




「大事な物を落としたの?」


「・・・あんなものは大事じゃないです」


「・・・・」


(彼氏関係じゃね?彼氏からのプレゼントを落ちしちゃって、拾いたいけど浮気野郎だしなで)


「彼氏関係の物ですか?」


近くにいたギルデちゃんがぶっこむ


悪手じゃないか?




「違う!!!」


「じゃあ何を落としたんですか?貴重な装備品ですか?大量のゴールドですか?」


「、、だ、大事な装備品」


「・・・彼氏関係ですよね」


「・・・」


ふいっと顔を赤くしながらアルゴが顔を逸らす


そして確定する




「頑張って拾おう」


「なた、、」


「私のゴールドも落ちてるはずだからね。今私10ゴールドしかないから本当に不味いんだ」


「それは大変ですね」


「そうみたいだな」


知らない女性が私たちの輪に入ってくる


そしてギルデの表情がギョっとした表情になる




「ギルデ。お前は職務を放棄して、友達と遊びに行っていたのか?」


「違います。善良な市民を助けに行っていました。そこでアクシデントが起きまして」


「誰?この子供体形の人は」


「・・・白ウサギとは言ったものだな」


その者は非常に小さかった


そして服装的にギルデの同じ職場の人だろうと言うのは予想できる




「白ウサギって私のこと?デュラハンにも言われたんだけど。なんかの隠語?」


「髪と見た目だな。ウサギぽい」


「そう?髪がもっふもふなこと以外ウサギ要素無さそうだけど」


自身の髪を触る。もっふもふ。現実でも滅多に見たい程のもふもふ




「それで?デュラハンは討伐出来たのか?」


「駄目でした。援軍に来た騎士と執行官も全員負けました」


「・・・聖属性持ちもいたよな?」


「はい。でも負けました」


「ネームドかも知れんな。領主と話を付けないとな」


ギルデちゃんと子供が難しそうな話をしている




「森には立ち入り禁止だ。デュラハンの養分になりかねん」


「えぇ!?」


「当たり前だろう。魔物にもレベルがある。ただでさえ強い奴のレベルを上げる必要があるのか?」


ドロップ品回収が出来なくなっちゃったよ


「お金が、、」


「大事な物が、、」


「諦めろ」


容赦ない言葉が発せられる

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