第29話殺意

「殺人」


スキル【殺人】をノータイムで発動する


いまこの瞬間からステータスは2倍だ


殺意もマシマシ




「切り抜け」


デスナイトに鉈をコツンっとぶつけ


背後に瞬間移動する


切り抜けって瞬間移動するんだと、なたは驚くが背後に回れたので問題なしと判断する




「跳躍」


バックジャンプをしながら跳躍を発動し、デスナイトから距離を取る


そして叫ぶ


「全力で魔法撃って!!」


「!!」


次の瞬間、凄まじい量の魔法の弾幕がデスナイトを襲った




パリパリ!!


シュバーーー!!


ジョワジョワー!!


ってな感じで色々な擬音と効果音が聞こえてくる




「凄まじい連撃」


「わあ!!いつの間にこっちに!」


「木を伝って来たよ」


アルゴの隣に着地し、魔法を放っている所を観察する


魔法は魔法陣から放たれているみたいだ




それはそれとしてなたは殺意が抑えきれなくなってきていた


「・・・」


頭の中でアルゴ何度も死んでる


撲殺、絞死、焼死、浸死、凍死


数多の死因が頭の中に浮かんでくる


しかもそれは全て私がやっている




「精神が蝕まれる」


「?、大丈夫ですか?」


「大丈夫だけどあなたは大丈夫じゃないかも知れない」


「!!」


アルゴの背後に立ち、首を腕で絞める


そして私は地面に背を向け倒れる




「ガァ!!」


「殺意が抑えられない。あなたとは仲良くなれそうだけど、今日会ったばかりだからね」


今日会った人間に思い入れは無い


「ジルに怒られそうだけど、、、まあ!いい!この殺意を無くす方がいい!!」


「ガ!ガアア!!」


アルゴが抵抗してくる。魔法使いは貧弱だからか


あまり動けていない




「・・・」


「あれ?」


空にいくつもの魔法陣が出現している


「ハ、離れろ」


「さっき叫んでたのは魔法詠唱か。やるじゃん」


アルゴから離れる


次の瞬間にはアルゴ目掛けて氷、水、風の魔法が降り注ぐ




「はぁーーー!!死ぬかと思った!!」


「死んで」


前へと詰め寄り、鉈を包丁のように突き出す


「バリア!休憩も出来ない!」


薄青色の壁が出現し、鉈が防がれる


「邪魔」


「正気に戻れ!!なた!!デスナイトってこんな効果も持ってるんの!?」


殺意に飲まれているだけなのに、デスナイトのせいにされている




その時なたは思った。デスナイト死んでなくね?っと


「・・・」


ブオン!ブオン!!


嫌な音が聞こえる




「デスナイトまだ生きてるの!?」


アルゴが困惑の声を出す。確かに冷静に考えたらおかしなことだ


だって数十発は魔法を食らっている


しかも威力は高めのそうな魔法をだ




「魔法耐性でもあるんじゃない?デスナイトだし」


「・・・」


紫色の閃光が目の前を通過する


「煙玉は無い。ポーションも作ってないから無い」


「・・・」


「今煙は晴れた。そしてまだ殺意は残っている」


ステータス2倍も残ってるがな




「それでも勝てる気がしないね」


「正気に戻ったんですか?なた」


「戻ってはない。外敵が増えたからね。そっちを優先しようって思考になってるよ」


殺意の矛先はアルゴからデスナイトに向かっている




「本気で騎士を殺さないとダメそうだ。死力を尽くして、敵を撃退する」


死にたくはない。でも相手には死んでほしい


傲慢な考えだ


「保険は出来た。本気でやろう」


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