第25話職務を全うせよ

「ギルデちゃん。広場で面白いことが起こってましたよ」


「どんなことが起こっていたんですか?」


買い物袋を片手に持ちながら彼女に近づいて行く


「2股が発覚した男の子がいたんです」


「浮気ですか」


ゲームの世界でもそんなことがあるんだ




「一人の女の子が男の子に罵詈雑言を浴びなせながら、涙を流して走ってどこかへ行ったんです」


「・・・」


「男の子はその子を一切追いかける様子無く。もう一人の女の子の傍にいました」


「可哀そうですね」


「でもその姿を見たもう一人の女の子に平手打ちされていました」


「天罰ですね」


当たり前と言えば当たり前な行為だ


私が浮気されたら男を殴りますもん




「で、その走ってどこかに行った女の子があっちの方向に行ったんですよ」


彼女が指を指した場所は


デスナイトが徘徊している森林だった


「不味いですよ!!急いで行かないと!」


「いるか分からないのに動いたらダメよ」


「いや人の命が「ギルデ」


ピタリと私の体が硬直する




「ギルデの仕事はなんだ?」


「・・・犯罪者を取り締まることです」


「現在任されている仕事は?」


「指名手配犯のジルを捕縛することです」


「それをやるのに森に入る必要はあるのか?」


「・・・・ないです」


ぐうの音も出ない




「指名手配犯なのに街にいる彼を探すのがギルデの仕事だ。職務放棄はダメだよ」


「はい、、」


「隊長。お時間よろしいでしょうか?」


この街の騎士が話しかけてくる


「なんでしょう?」


「指名手配犯が現れました」






ーーーーーーー




一方その頃なたは何をしているかと言うと


「あの野郎!私を差し置いて!」


「そうですか」


怒っている女性の話を聞いていた




「右にいるわよ!」


「危ない!」


「もっと周りを見なさい!怪我するわよ!」


魔物倒しながら会話するのは非常に難しい


次、ジルが魔物倒してる時は話しかけないで置こう!




「お姉さんは魔法使いですか?」


「そうよ!あいつのことも魔法で助けてやってたってのに!!あいつは!」


「・・・」


気まず、、泣き始めちゃったよ




女性が泣いている所を見るのは苦手だ


女子高でもそうだった。泣いている女性がいると傍に入れずに離れちゃう


「ちょっと!距離取るんじゃないわよ!!」


「すんません」


怖い、、仕事でミスしたら怒鳴ってくるタイプだ




「私、、彼の為に努力したのよ」


「うんうん」


「オールドスペルまで覚えてたのになぁ、、」


「・・・古い魔法ってことですか?」


「大体そうね。古い魔導書とかを頑張って解読したのよ」


結構凄いことやってるな。大学の知り合いに古文の解析やってる人いるけど


すっごい大変そうなんだよなぁ




「私以外に魔法を使いこなせる人なんていないってのに!」


「・・・」


フレンド欄からジルを選び、ジルにチャットを飛ばす


最近知った技術だ


「話し聞いてるの!!」


数秒程でジルから返答が帰ってくる


「失礼、ちょっと触りますよ」


女性の顔とお腹をペタペタ触りながら、ジルに言われたことを検証する




「な、なに?」


触り終わった後に女性の顔をジッと見る


そして両手で優しく彼女を包み


「フレンドになって下さい!!」


彼女にそうお願いする

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